ひるさがり となりの畳のきしむ音 きみもだれかを思い出すのか
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欠陥を相談するか迷いながらたぶんあなたのことが好きです
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ガラス越し 窓の向こうは コート着て  日差しの温もり アイスコーヒー
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見渡せばリア充じゃない方のママ集団の最後尾にあたし
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冬が好き。頬をつんと刺すような足を濡らして炬燵に潜む
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スモホより汚いことは食べること 他をぶち殺しああうんまいなあ
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左手はスマホ弄る手不潔な手 右手は食べる手清潔な手と
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重ための前髪かき分けこめかみに並んだ黒子にキスして眠る
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覚悟して 夜のとびらを押しあけて夢にみたこと教えてあげる
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新聞の短歌欄見て思うこと 生け花同様流派が大事
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避妊具が恋と妊娠切り離し 性欲を恋と 勘違いする
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霜月に季節は変わる時期なのに 八階の蚊はわたしを狙う
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ぜんぶアリ俺もお前もいけてるし自己採点は高めで設定
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行きつけの歯医者が勧めるプロテクター 今日日きょうびの歯医者の稼ぎ頭か?
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あくまでも食品ロスを減らすため 期限迫った値引き品買う
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歩道ではむろん歩行者優先だが 気が向いたときは車に譲る
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治ったはずもないきみの切り傷を隠してみせたその隔たりよ
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事故遅れ 制服の美女声荒らげ 顔に似ぬ粗野 霜降そうこうの朝
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暖房が眠気を誘う納品路 今日のニュースにツッコミ入れる
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手を挙げて招くすすきの姿より男心をそそる白はぎ
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残すのも残されるのも嫌だから君と一緒に死ぬのが死合わせ
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橋姫の霜を片敷く狭筵さむしろいたくな吹きそ宇治の川風
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秋霜に 青葉凍(あおばい)てつく松の樹よ その生き様を 人にも問うて  
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越えられぬ過去と未来に挟まれて、逃げられぬ今だ燃やせ心を
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輝きが夜空を満たし朝になり、君が目覚める。それが世界だ
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スーツ着て 腕に抱える 幼き子  パパと一緒に 歯ブラシ選ぶ
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影一つここより放ちやりたきに狂ひ足りねば立ちつくすのみ
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魂が心を剥がれてゆく度にでんぷんのりに塗れる手先
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付いて来るコラボの紙のエプロンが目当てで夜ご飯はバーガー
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空色のネイルを塗った手で拭う涙が虹を架けますように
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