キープインタッチといえる確かさで手をとっていよう同級生たち
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混乱が 頭を占める 少年に 何を言っても 虚しい答え
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穏やかに 逝かせておくれ 天国に 悪人のまま 逝ってはならぬ
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ただ一つ 歳取るだけで 天国が 地獄に変る 定年過ぎて
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行く行くと 行き着く先は 理想イデア きょう 色をも知らぬ 哲学者プラトーになりぬ
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明日から 職安通い 始めます 悠々自適 許さぬ妻は
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紫の服を着るよな人生じゃなかったんだよあなた推しに会うまで!!!
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母の作るテキトー焼きそば味わって これこれこの味!この味にならぬ
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バスの席夫婦ふたりでどうぞ言う息子 母は息子キミとがいいのだけれど
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暗いけどトンネル抜けるとまぶしくて 私の心もそうでありたい
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車窓から見える紅葉目を見張る 夕日を浴びて光り輝く
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好きなのに 言葉一つも 出てこない うれしさよりも 先走る気持ち
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散り積もる木の葉に道は跡もなし木枯らしすさぶ秋のふるさと
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ひかりさす曇り空に少しだけ重い傘持ちあなたに会いに
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過ちを繰り返す セブンイレブンをハシゴして何も買わずに出てきて
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君主死してひさしくざんぎりの菊花腐しぬ飽く迄他人
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反目の家族飛び交ふ鳩の巣の在処喪ひ昨日父の日
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執心の神を殺めし基督の磔刑に懸 罪清らなる
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昼下がり仕切り一枚隔たった君と居眠り自習の机
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ヒトラー良夫なりせば豹変の父が慈悲たる独裁とは誰
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水晶の夜が主従の入れ代る「祖国の麺麭」買ひ求めしわれら
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要塞へと変ず島嶼にあやまちて血の歿日後訪れき青年
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よろこびの中にわたしが居るかだけ教えてほしい 週末は雪
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ソファの上人形並べて踊る姪 いよいよ来週お遊戯会ね
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令和でも子どもは風の子元気の子 上着脱ぎ捨て子は駆け回る
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君思ひ 銀河鉄道 発車せり 宮澤賢治も かくも苦しむか
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神様に捧げる歌が賛美歌で もっと歌いたい 声高らかに
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Avecアヴェックあえぐ聖夜の ラヴホテル 寒々さむざむし夜に ひとりじょう待つ
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出不精の僕が散歩をしたいときにわかに空は雲に埋もれる
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通学路 日和雨降る ひなた道 学童の声 秋日あきひに落ちて
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