叫んでる 自分の声を 聞かぬフリ 優しくできず ぼやけたあたま
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栄養と彩り衛生毎朝の弁当作り春で終わり  か
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懐かしい友へのLINE打ちながら毎度気づくと寝落ちする夜
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都市ならば汚穢と危険とを許せ、そを伴はぬ自由なきゆゑ
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本来の由来も知らず騒ぐならリアルなあの世意識必要
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君がいる二階の部屋のシルエット二つ重なり消灯で消え
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「バイバイ」とやっと言えたと笑う君 心につかえた本音がぽろり
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僕などに傷つけられる貴方ではあってほしくはなかったけれど
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ハロウィンの仮装をしているわけじゃないギプスをはめた右足撫でる
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靴下を二枚重ねて履いてみる いつの間にやら脱いでるけれど
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階段を二人で登る手をつなぎ シャッターチャンスにスマホはどこへ
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母さんに感謝してたよ床下で父さんの骨見つかるまでは
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あの頃と同じ季節にこのベンチ座れば聞こえるtoo far away
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読んだのに少しも覚えていない本 村上春樹は娯楽小説
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五万円 岸田の約束五万円 いつ来るのやらいまだに不明
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日曜が午後の睡魔で無駄になる たぶん月曜 奴の差金
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ブラームスの4番聞くとそのたびに 三島の「天使」が脳裏をよぎる
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私がね あなたに恋をしたわけは けして私を愛さないから
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肉球をむにっと触りくしゃみ出た 猫アレルギーにゃにゃにゃにゃニャン
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仏壇や神棚は家に要るのかな? 要らんと思うが 本当はどう?
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大逃げを 見て叫びたる 秋の楯 彼は粘りて 二着と強し
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ただ君と仲良くなりたいだけだった 気づいた頃に僕が壊れた
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二年前国語の授業で好きな人詠んだ短歌が忘れられない
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サバンナの星空の下ライオンは何も持たずにただ牙を研ぐ
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わたしって可愛い子だから先生がエッチなほうがトクなのねママ
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ドラキュラから招待来たがワインしか出ないうたげは欠席に◎
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布団からはみ出た指は寂しくていつもわずかに丸まっている
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少しずつ貴女の秩序乱してくここからわたしの自立始まる
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叫ぶ風バイクの後ろ負けぬよう君の誕生感謝伝える
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原石を 磨くというより削ってく  石もヤスリも同じく痛い
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