「お願いだ もう一度付き あってほしい」? そんな君だから 私は別れた
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「君の元 彼女はとても かわいいね」? 一体《どれ》を指しているので?
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元彼も 元彼女も 全部嫌 私にいるのも 貴方にいるのも
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2人用 君と買った ゲームさえ これから私は 誰としたらいい?
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付き合っても 結局楽しく ないじゃんね 少女漫画の 夢ぞ崩れる
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お互いに 交換し合った プレイリスト やっと私は それを消せたよ
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元彼の LINE1件 「久しぶり」 新しき恋の 邪魔をしないで
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「あのお菓子」チラシ見るまで言い続け謎が解けたね「ダックワーズ」
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「甘やかし」そう言われたらそうなのだ無くした時を今埋めている
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腿の間をすり抜ける赤 きっと私は最初の人間ではない
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はま寿司が美味しいと言う娘から誘われるまま保護費を使う
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ひきわりに梅肉 鯖のけずり節 からしを混ぜて あれよ一献
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貴方の背触れた気がした夏の日を ゆうに越えてく冬の歌声
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ペタペタと 水炊き出汁の コラーゲン 明日のお肌は 寒さに負けない
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無邪気さをよろうあなたを噴き上がる花火が照らし 何も言えない
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帰った日 一緒に寝るのを 寝室でずっと待ってる 愛しいわが猫
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冬アイス 一日4個はちょっとね、と 氷水飲む 風呂上がりかな
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長々と療養続く友人を思わぬ日のなく半年がくる
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物体にこごった価値を担保するみんなみんなの物語たち
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もういちど生まれたつもりいつ去るかわからない身を空にゆだねて
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休職も明けて忘れていたものと残したものをひろいあつめる
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手術こんをまたぐかぼそい神経がふたたび寄越す風のつめたさ
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持てあます大好きだけをまっすぐに伝えるすべをきみは知らない
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目に痛い赤はいつだって気まぐれ 背中を染めたり足を取ったり
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幼子が小声で歌う鼻歌を 聞いてまたたく冬の星々
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若い頃老け顔だったあの人が一番変わらず大逆転の今
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落ち葉きじゃれついてくる子猫見て ホッコリとする木枯こがらしの朝
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兄弟で怒られるのは私だけ なぜだかさんまが食べたくなった
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何ゆえに 同級生も 会えざるに えにし切れしを 悟るる初冬
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二十年 渋谷で遊び 時は過ぎ 街は変わりし 淋しきの冬
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