バァバァの うろつきまわる とめるのは たのしみひとつ うばうのかもと
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アパートの五階廊下からほど遠く花火が見える夜の静けさ
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その時はその時でまた恋がある 田中絹代の映画を観つつ
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嬌声きょうせいを 天に響かせ 鳴く猫の こえくときぞ 夜はたのしき
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君がため 春夜はるよひと土筆つくしむ わが衣手ころもでに 雪は降りつつ
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SNS誹謗中傷吐く人の顔の見えない醜さを見る
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難波津なにわづにほさかるは くりの花 秋よ来たるな 実結ぶ時まで
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気怠げな 猫のあくびと 有線と ミルク煮詰める 音がするだけ
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会いたくて 車とばして 四、五時間 逢瀬の先は 喜寿のじいちゃん
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暮れゆく日 もうじき焼き鳥囲む会 鶏皮かつては30円也
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ひとの代の 紅葉もみぢ時雨しぐれて うつるものの 我が絵に染みたる 色ぞ変わらじ
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終盤に 貴方の残す 一駒ひとこまに なりたいと願う チェス盤の上
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すれ違い香るコロンが引き戻す覚えてないけど忘れられない
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バッグにスマホしまえない散歩 さいきん返信すぐくれるから
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会いたくて指、躊躇って画面見てやっと打ち出すLINEの文字を
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あんなことがあった土砂降りあとの会話 ポツポツと小雨のように
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「お大事に」声かけ「そちらもお大事に」と返す幼児に沸く待合室
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使用不可 だった遊具で 遊ぶ子を マックで見たのは3年ぶりだ
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あまりにもはやく過ぎ去る気がつけば押し流される年の瀬に乗り
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外に出て働き保つ我らしさ 頭よ体よ も少し付き合え
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離乳食上手に作るのE難度 硬けりゃ食べぬ柔けりゃ潰す
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娘からギューしてあげる!と抱きつかれ 疲れ吹っ飛ぶ明日も頑張る
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熱情と 君への思い 織り込んだ  この我が歌は タペストリー
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母を見て泣きじゃくる子を外に出す辛き日々ある母を知らずに
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病は気からといふけど 実のとこ 薬は気からのような気がする>眠い
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けしゴムを かりてときめく はつこいの にがきおもいも いまいじらしく
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断捨離の 要らぬ物とか要らぬ者 分別する側される側  
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爆撃にこどもの墓場やまとなりホロコーストの過ちつづく
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くさはらに わらいはじける こどもらの うまのりあそび じじもやりたし
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降誕祭クリスマス 予定開いてる 君のため でも誘えない 土曜の昼
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