君を乗せ 駆け抜ける馬の背中には 大地より黒いたてがみが躍る
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味の向こう スパーク宇宙の背中かな 畳で味わう夜は明るく
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境界にて感覚されし刺激なる一塊の棘皮てふ我
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ボーリングのピンたちが降りて来ない。 正月ストライキ決行か!?
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配膳にかこつけ死守するお手製の伊達巻きの端味わう特権
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そんなことどうでもいいのにまた今日も食べるもので悩む夕暮れ
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本殿の前に巨大なQR 遠めから投ぐ電子賽銭
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ポット沸く読みかけの本伏せ置きてドリップ珈琲の封を切り取る 
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飲み込んだ言葉たちが喰らい合う いつでも胸に抱いてる蠱毒のろい
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君よりも二秒遅れて目をつぶる 君で眠って君で起きたい
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「解けたんだ。物理好きだね。」本当に好きだったのは物理ではない
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苦しいと嘘をまたつく冠雪が今年は遅い山々を見る
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こぬか星滲みし夜空見上げればうまくいかないことばかりなり
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ひとひとり失うことを忘れるということなんてできるだろうか
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秒針の音しかしないこの部屋で細きケーブル親指に巻く
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公園に幼子ははと二人いて児が喜べば母も笑えり
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葉が落ちて裸になった森の木々えだの隙間の数だけの空
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なるようになっていくのだ何事も手の甲に浮く静脈を見る
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こんなにも生きていくのが苦しくてつり革を持ち曇天を見る
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パソコンのマウスが二つ並んでるこんな夫婦になりたかったな
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空腹の大人のような顔をする裸になって痩せ衰えた森
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駅伝を観ずに新年過ぎてゆく珈琲だけは美味しく淹れよう
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大雪で二時間遅れの電車待つ ずっと英単語見てる君
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麻雀のカンでネッ友思い出す どんな声だっけ今元気かな
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「レポートを教えてほしい」は建前で 「空きコマはいつですか」を聞きたい
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わからないふりして微積聞きに行く 先輩どこの大学行くの?
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電車でのぞき見た先輩のチャート  今日の授業で私も習う
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初詣 馥郁かおる古都の町 雅に酔いて 春はまだかと
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無意識に増えた眼鏡の傷たちが 僕の視界をただ曇らせた
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師走 くたびれた優しさの海 君の車椅子に掴まって泳ぐ
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