師走 くたびれた優しさの海 君の車椅子に掴まって泳ぐ
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行かないで そんな悲しい色の蝶追ったら遭難してしまうから・
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社会的存在として「同期」する、したい、してしまうのだねヒトは
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空気すら静止す冬の街に二人 指 視線 頬 絡め 蠢動
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祖母は言う「背が伸びたねと」 何度でも更新される僕のVer.バージョン
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無駄なほどに白い雪を焦がすのさ 悲しみ宿るニキビ面でな
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変わらない のんびりひらパー生き残り 大手潰れし栄枯盛衰
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旅に出ようと思った パスポート見つからなくて 本を二冊買った
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そんなつもりじゃなかったと言うなら言葉選び検定は六級
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あかねさす 昼に酒飲み ぬばたまの 夜も酒飲む 年始このごろ
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正月も あと数刻で 終わりなり 三日からは もう仕事の身
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見上げれば 雲間に光る太陽に まばゆい網膜 さあ歩き出そう
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彩れよ 細胞よ踊るその手足 凍える夜の星のまたたき
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てのひらにそれを感じる雨の朝遠く重なる裸木に霧
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とめどなく川は流れる側溝の廃油の膜に美しき虹
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乳歯とはいずれなくなる永遠と独りつぶやく冬蜂が死ぬ
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さみしさを夫婦で分ける白煙の高く高くとたなびくを見る
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水鳥は静かにもがく池の土手さみしき藪に雉の鳴き声
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決断の色ってどんな色だろう赤く赤くと散り急ぐ木々
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転んでは起き上がるのを繰り返す木の葉の雨を静かに纏う
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信号が赤ばかりの日もあって言葉を含む風が冷たい
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朝起きて洗面台に水をため栓を引き抜き渦を見ている
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明暗でいうなら暗の運命で運命だけど紅葉がきれい
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ラノベなど宵に浸しつつどうしても捨てられないの防衛魔術
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初日の出定点観測から望む 正月二日の納品始め
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酔うほどにあらゆる事が素晴らしく記憶は消えて吐瀉物となり
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私には私の暦が別にあり今日は祝日ではないのです
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おおみそか仕事納めて眠り落ち 仕事始めは元日の昼
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ありがとう 15cmの傷の下 私の一部となるセラミック
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気づいたらカウントダウンもしない間にウサギが膝に丸まっていた
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