収穫をされない柿が重そうに赤く輝く実を持て余し
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冬牡丹かと思ったら違うのね 白い花ぽってり青空に映え
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二十年 プラス三年 この会社 勤めましたが それだけのこと
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社員証 総務に渡す その時を もって私は 部外者となる
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ドレミファが空に逃げていきました捜してくださいソラシドエア
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苦労さえ 人の人格 磨き上げ 愛する心 育む機会
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年明けて 仕事探しが 本格化 のんびりしてる 場合じゃないよ
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一仕事 終わったような 眠気あり 今日の挨拶 最後の言葉
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貧乏は 人を休まず 働かせ 時間を金に 変える原因
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殺伐と 日々の生活 していれば 別れが来ても 涙も出ない
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送る人 送られる人 別れとは 悲しいもんか 涙も出ない
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退職は 終わりと言えば 終わりだが 人生未だ 途上に過ぎず
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年の暮れ 仕事納めに 花束を 両手に抱え 記念の写真
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サンタにも病魔とりつきリハビリ中 さちとどけたい杖つきつつも
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いつか必ずやる駅はこちらです お乗りください発車しま〜す
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真っ白の峰に向かいて アクセルを踏めば 心も一時雄大
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降り注ぐ陽が心地良い冬晴れは買い物行くにも遠回りして
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ついてないことの先にねちょっとしたいいことあると鼻歌まじり
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ぱりぱりと響かぬうすぼらけの朝の残り香がするお昼の時間/おにぎり
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「紫の煙なんだよ」と笑うきみ 知っていて、なお心がくゆる
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今年はね前厄だからと祖母が言う わたしはそれを愛だと思う
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音もなくしのびよる丑三つ時に三十七度の体温がある
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雪道に猫の足跡見なくなる街に暮せば淋しさもある
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群衆が熱くまとまる美しさふと掠めるは戦や崇拝
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花柄のきれいな箱ティッシュを出して さあ年末だ 年越し備えむ
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良い陽射しなのにねこたち それぞれに ベッドでスヤァ 日向ぼっこは?
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そういえばお飾りいつに出そうかと暦眺めるもう数え日と
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大阪人みんな食いたい思うてる二度漬け串かつ京のぶぶ漬け
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世界じゅう銃や爆弾全ての武器がぜんぶお塩になっちゃう魔法
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今日というなんでもないしあわせな日にあなたと家族になりたいと言う
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