浅縹あさはなだ起きた貴方へ背を向ける 僕らは見えない明けの明星
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またいつか会える日までの拠り所 手紙を一通僕にください
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だまり合う二人の間気兼ねして湯気を立てずにいるホットティー
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この電話切ったら君と私とは ただの第三者になるんだね
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今日はまだ君への心隠せない滲んだ君の影が出ていく
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『鬱の本』購入手続きめんどくて鬱な私は買えないでいる
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言の葉が星屑のよう降りそそぐ 布団に入り目を閉じた瞬間とき
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あの日から貴方あなたの背中追いかけて 手を伸ばしてもはる彼方かなた
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ものたりぬ短歌うたを束ねて外に出し収集を待つ、こころの年の瀬
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くたびれて炊事掃除も破壊的あれどこ置いた?今日何日だ?
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さよならは一度だけでいい 変わらないひとみに宿る熱をおしえて
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続柄を「本人」と書く証人はこの筆を持つわたし独りで
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晩鐘が合図のように続々と地平線から立ち上がる雲
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連続を裁ち切られてもその先を求めるものがいたる扉を
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ペンの色意識したからもう少し私の気持ち伝わる、きっと
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かねつかい とった多数派 こくみんの 意志を映さず  なんでもきめた /裏金で票を買う
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何度でも良かったですと伝えたいくるくる回るどんどん増える
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何もかも至る所が辛かった このまま駄目になるかと思う
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大掃除そっと抜け出しパチンコに行って帰れば突き刺す視線
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凍り付く冷気の元は窓の雪冷たい両手鳴らないスマホ
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大掃除しなくちゃなあと思いつつ貴方とごろごろ幸せの時間
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クリスマス終わればすぐに年末だ 少しのさみしさ貴方と語る
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エコー越しに明滅せし児の心の臓 向こう百年憩むこと勿れ
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飛んでった「痛いの」どこへ行くのかとくうを見つめるに住みたいな
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漢方て二種類飲んでもいいのかな 葛根湯が欲しい日もあり
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オナカスイタ もう倒れちゃうのふりをする ちま猫ちゃんは 演技派にゃんこ
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意識して肩をろして歩くとさ 呼吸も心も一緒にととの
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絶対に辞めれぬものは何もない。酒もたばこも、仕事呼吸も。
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雪あれば畑は休み動物の足跡だけの細道をゆく
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狸かな家の墓には寄ってない足跡たどり巡る墓地山
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