卒論で和泉式部の和歌学び 辿ってみたい沢の蛍を
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死んじまうほど暑いからじゃないんだろやたらとセミの静かなるまち
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解説も含めて競技の世界観 スケボー中継に吹き渡る風
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盆踊り 焼き鳥班の熱闘は 美味しい数の 汗ぽとりぽとり
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三分で「花火怖い」と三歳は自宅に戻るそれも思い出
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この街のみんなが同じとどろきを今聞いている納涼花火
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早々と七日を終えてこんがりと揚がった腹にたかる蟻たち
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『 、。』の返信来たらキモいよね否定しないがそんな時代か。
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じゃがいものスープと食パン お昼ご飯 あれれー?タンパク質はどこかな
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めずらしき 和菓子をキミと分けたいが 要らぬと言われそうなので聞かぬ
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レジ待ちの間にとける氷菓子いっきに食べていっきに冷える
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リスのよう 氷頬張る 夏の日に 一陣の風 乞い願う日々
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光る君五輪とかけて何と解く光り鮮やか陰も数多あまた
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愛しい子 まだ腕の中で寝ている 遠くの空が炎で揺れる
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暑いねの 代わりに想い 伝えたい 首筋流る 汗ほどの好き
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なにもない暗闇坂をひとりゆくなぜだかさみしく思うものだね
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伝えてもただ虚しさが降り積もるこれが恋なら知りたくなかった
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温度計 のぼる数値は うえ空めがけ はためくもの洗濯物と 双璧をなす
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天国へ至る階段僕たちは刻一刻を登って生きる
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買い物へ 一緒に来た妻言うことにゃ あんたが来るといらんもの買う
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びぬ道路コンクリ室外機猛夏が来てもまだ絵空事
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バ先から見えた花火がいつもより大きく見えて憂鬱吹き飛ぶ
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なにゆえなる 我は日本文学にちぶん 学んだ身 筋金入りの平安マニア(笑)
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それぞれに おきにいりの箱 入り込み ねこはねむれり しあわせそうに
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クーラーを消して森林公園へ 木花虫に生きてと願う
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文章と作家は切り離せと言ったその日に読む井上ひさし
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本たちが大気に染み込ませた薄黄色と僕が持て余した青
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さあ走れ古典のノートを齧る紙魚 夏が過ぎたらまた帰ってこい
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照りつける 夏空の下 生まれたる メダカの稚魚よ 大きくなあれ
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大人女おとめらよ「光」をなぜに好感す 現代いまの不倫は容赦せぬのに
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