遠き日の 小指の誓い 掠れゆく 声と匂いと 指先の熱
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冬本番桜の枝の小さな蕾 寒さに耐えて希望潜ます
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珍しく病に伏したつまのいて 好きなおでんを味噌で煮る夕
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あちこちに落ちてる言葉をかき集め三十一文字みそひともじに組み立ててみる
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幸せが身体を巡りあの時の闇の存在意義を見出す
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眠れない夜に旋律響かせる nichtとnightは似ており虚ろ
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落日に群青色の大いなる虚ろ目掛けて凧が舞いをり
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夕凪の先にゆらめく陽炎に 秋の夜長の侘しさを知る
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画面越し 斃人人 その全て 待つ人があろう 何処の国でも
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ワレワレハ チキュウジンデス ソチラサマ ソコノアナタモ チキュウジンダネ
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もう何もわからないけど少しだけ、わかった顔して日々生きている
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来世では、みんなが消し忘れてるトイレの電気を消す妖怪になる。
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朝食はいつものメニューで食べ続け腸活促す零下二十℃
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ねこちゃんは寒い時だけ懐くよね。ニンゲンたちにも言えちゃうけどね。
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ぐるぐると疲れた肩を振り回しキレイになれと体労わる
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無知すらも勇気のうちと利用して、ヒーローポーズ決めて見せるよ
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わかったぞ、カップルたちの「もう嫌い」。あれはほとんどいないいないばあ
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苦しさで 割られてしまった ガラスの心 破片かけら握って 相手見つめた。
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面白い映画はニ三にさんでコケるけど、オレの歩みは四五よんごと続く
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顔伏せて腕で囲ってできた夜溢れぬように息をひそめた
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飲み会を盛り上げている君だけど、少し寂しげ、わたしは見てるよ。
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怪獣とワルツを踊ってやりたいな、成人式にも来てなかったし。
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入るしかない生き延びるしかない草刈り鎌片手に飛び込む未知のジャングル
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消えたいな ふと思う時過るのよ 二十数年ミニ走馬灯
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駐車場ルームランプの消し忘れインターホンで知らせて良かった?
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振り返る 友の背中が離れてく 少し寂しい駅の改札
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医師曰く「私、自転車すら無いです。困りませんよ。」それ主観です
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明日だば、歩きかバスか迷うども、バス無さ過ぎて歩けば早ぇな
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自動車が無くて困らぬ健康をとなりの八百屋で売ってくんねぇ?
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ねむりの魔法かかりつつ短歌うたを詠む そんな夜にはチョコをひと粒
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