白と茶の 二層の幸福 うっとりと ストローかき混ぜ 氷を鳴らす
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共感し うなずき笑いそして泣く 短歌うた詠む友よ 今日も感謝だ
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テレビごしわたしに勇気をくれたひと 努力はあなたの姿をしてる
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はしりだす 春一番を味方につけて きらめきひとつでおおきくジャンプ
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あの春の君との思い出があるから 僕の世界はきらめいている
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彼岸会の父母の姿を求めつつ手向ける香と姉の牡丹餅
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駆け出せば まだ最終に間に合うと あなたは笑う 解けた靴紐
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十二年振りに一致のカレンダー毎月めくるめくるめく日々
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午後二時の 気怠い風に揺れる髪 窓際 前から五番目のきみ
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涙を 見せるわけには いかないのに 耐えられないから 僕は肩で泣く
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思いを 蒸し返すように 30日後 月は再び 「只今!」と言う
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トンネルの 先が見えずに 泣いていた 遠いあの日を 春風揺らす
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解ってない 僕が震えて いる理由わけを 君はたぶん 解っていない
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早春の 嵐が胸に 隙間風 愁いの炎に 酸素を送る
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お前には俺の気持ちはわからない親友のままじゃ足りない俺の
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横顔に恋をしていた放課後に彼を待つきみ隣の席から
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泡沫の 世と露知らず 涙落つ のぼる朝日に 背く朝顔
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初彼岸 春を待たずに 去りし君 膨らむ新芽 生まれ変わって
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瞑想し ひとり静かに 目を瞑る 遥か彼方へ 僕を誘う
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年上の友は永遠に年上で 若いと言われる我苦笑い
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法律に生かされてるだけのお前 無法になるときを待っている
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行儀良く 身を翻す 小魚の ウロコが光る 静かな家路
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寒戻り 遅くなりても 咲く桜 君と一緒に 見るの叶わず
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お子さんは何歳いくつですかと問う君のつないだ指が少し震えた
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幼子がバナナ!バナナ!と騒ぐからいいよもう今日もバナナ記念日で
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ここからは夜の領域 まぼろしもあらゆる全てが手の中にある
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束の間の晴天惜しむかのように ねこがいつまでも窓際にいる
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モッツァレラチーズがずっと好きなのはたぶん前世の恋人のせい
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誕生日あしただからさマニ車ほしいんだよね 徳積みたいし
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徐々に徐々に 機影が林抜けるたび 娑婆が近づく また春を生きる
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