星を見るしかやることのない夜は平和だったかそうでもないか
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舐められて道に吐き捨てられた飴に蟻がたかって限度が無いな
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うれしいと思えることが少しずつ増えてく日々よ花のつぼみよ
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手を伸ばし捕まる崖を増やしてる手の本数も実は増えてる
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カチコチの僕の心と君の頬 間を取り持つ雪だるま
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少しだけ残った遠慮の塊のポテトチップスあの世の通貨
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繁殖に興味はないし散らばった消臭ビーズも拾いたくない
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望まない寂しさだけが寄り添って馴れ合う夜は静かにける
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なんもない 母の楽しみ相棒と にゃんこ特集 鉄腕ダッシュ
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バス停で こどもにイキる おっさんに 怪我しろと思う ぼくの差別心
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夢虫は冷たい海の底を這い月への道に飛び魚の影
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排水口を流れゆくうずまきが君へ繋がっていますように
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定位置に無いバイク私の秘密の恋が親友にバレた朝
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つむじ風指に絡めてひと吹いで見えぬ螺旋と語らう少女
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「この味は好きじゃない」と言って喫うかつてキャスターと呼ばれていたもの
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兜のしたで永く忘れていたものは気圧と天気痛と春風
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暴風を吐き出してゆけみなもとは過剰に圧搾されし胸郭
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「ありがとね」「長かったよね」「ほんとにね」 将棋みたいに終わっていく恋
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一陣の大気の波を身に受けてことばの朝に今は漕ぎ出でな
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その頬に優しく傘を差し掛けよう ひと粒たりとも濡らせはしない
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もうしないもうしないって言いながら今まさにこの時もやらかす
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二日月 天なる父ジュピターに見守られ金星ヴィーナスの髪 光るる ティアラ
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嘘だって「可愛いね」って言われたら可愛くなるわ 魔法の呪文
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何となく選んでいるともう駄目で31文字みそひともじはサラダではない
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ただのちり、やがてかたまり、惑星に。はじめに「集まれ!」の声ロゴスありき
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みずからを機械に仕立てた代償を払い、その夜。王の声をきけ
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結局は屍だらけな最後だね。血も涙もある人間になるね
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人としてふれてもらえた。覚えてる。大切に想ってくれてありがとう。
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知らぬ間に 東風吹かずとも 梅の花 あるじも皆も 愛(め)で嬉しけり
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黄色から 紺色にグラデーショングラデ 夕暮れの ピアノの音色 後にしながら
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