長年と 積もり積もった 感情が 額の皺に 刻まれるから
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生まれ落ち 世間の波を くぐりぬけ 全ての人は 人格を着る
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権威など 関わらぬまま 唾を吐き 追い払われて 今ここに立つ
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百均と回転寿司とファミレスと業務スーパーたまにユニクロ
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生きようぞ 恥を晒して 周りから 屑と言われて なお超然とす
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「回らないお寿司」と息子がつぶやいた誰だ!くだらん知恵つけたのは
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よたよたと 靴履く姿 頼りなく 大先生も 老いては一人
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もともとは こんなはずでは なかったと 今更言うか 死が見えて来た
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怒りとも 何とも言えぬ 現実に 屈服すれば 道も開ける
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おぞましき 己の罪を 知る度に 打ちひしがれて うつむきかげん
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たけのこもきのこも両方美味しいよ 食いしん坊な平和主義者
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ケース開け中のギターを手にしたが眺めただけで元に戻した
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心臓を握りつぶしてほしくって貴方にならばなんでもあげる
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顔も名前も知らない誰かの小説で泣ける心が生きててよかった
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甘樫の丘の上より見渡せば明日香の里は菜の花の時
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橿原の宮居の春に立ち返り青垣山に霞たなびく
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畝傍なる橿の太木も神さびて御代を千代にと鳥唄ふ春
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花子さん便秘でトイレ長いので付けられたのがこのあだ名です
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休日の家族でファミレス=地獄なう。二重螺旋の終着点ここ
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煌めきに花野をおもう蜂蜜の光りを舐めた人から春へ
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ぎこちなく色をあなたと足してゆく日々はパレット絵を描くまえの
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晴れた朝 放射冷却強ばれば 田んぼの雪も 走れる近道 (秋田では固雪渡りと言います)
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はなやかな陽ざしに春の糸口を見つけすべてがひかりだす朝
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人肌に悲しみひとつ馴染ませて紅茶を淹れる春はすぐそこ
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皇室は積み上げられた価値観で どう教えよう天皇制度
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あたまから飲み込み二度とはなさないブラックホールみたいな恋だ
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真夜中の閑散とした国道は苦しいほどにエロティックなの
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マジうまいカレーと褒めた元カレのビニール傘を返せずにいる
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お手紙の封を切るとき思いだす 地平線にも色があるのだ
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「ねえ見てよこのワンピース綺麗でしょ」「うん綺麗だよ君よりずっと」
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