気だるさが俺の好みの路上歌手ライブ探して街を彷徨さまよ
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『こちらの永久機関は叶わない想いを動力にしています』
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でもねって言いかけたのは君の方。春風がそっとふたりをつつむ
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この貝を愛する貝があるかなど興味もなくて炊く深川飯
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人間が 悩むかどうか 関わらず 季節は廻る 何万年も
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春が来る その足音が 聴こえると 一人呟く 風を感じて
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同僚と 喧嘩をすれば 一日の 気分が晴れず これも人生
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選択肢 狭くなりすぎ 悩むこと 必要もなし これが老年
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一も二も もう人生は あとわずか これでいくしか 他に道なし
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飽食の 時代にありて ささやかな 食事楽しむ 貧乏暮らし
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我妻は カーナビ気取りで 道示す いつも迷いて 密かに笑う
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お互いを 責めたところで 是非もなく 忘れん坊の 老いぼれ夫婦
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是非もなく 情報過多の この時代 ついていけずに 老いは深まり
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ずたずたに 切り裂かれたる 残骸を 拾い集めて 裁きに臨む
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急降下と云う技があり鳶にお握り持って行かれた
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憂鬱な 僕の心を 置き去りに はなはもうすぐ 咲くのだろうな
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決めたのに結局今日も言えぬまま 朝の自分の消えてく勇気
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剥がれない紙のラベルをちぎりつつやっつけました糊は残った
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犬猿の猫がこの頃なかよしだ同士だが春なんだろか
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眠たくて寝る準備さえ出来もせずなので寝不足寝せてくれよな
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死なないから死ぬ気でやれと言うけどそんな苦しみ死んだも同義
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俺はもうダメかもしれん疲れてて心臓あたりがときどき痛む
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日々にある光が時たま降り注ぐお湯張り設定の仕方おぼえる
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目が覚めてああまたこれかとなっている巻き戻される君を思い出す
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少しずつ嫌な人間になるような気がして地滑り前の山肌
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俺はもう一人で生きるしかないということなのか闇夜のイルカ
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疲れたね闇に呟く返事なく当たり前だろあったら怖い
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本屋には自分の欲しい本がない君の部屋にもやはり無いけど
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いにしえの少女漫画を読んでいるこの世界には携帯が無い
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はっきりと嫌がらせだと理解してしまう自分の半端な知能
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