お互いに雑な扱い許す友 縁は切れぬよ私が切らん
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いつのまに 故郷とこの都会まち逆転す 過ごした月日 どちらも色濃く
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失敗は歌に詠んだら忘れそう とても素敵な手段見つけた
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筆記具を気の済むままに並べ置くこの領域がわたしの住処
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ぽつぽつと我慢の限界零れ落ち儘たっぷりと笑う大雨
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光射す晴れる心を翻弄し総じて笑え梅雨の神様
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ざわついた教室包むじっとりとどこか湿った不安な空気
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厳粛な態度をすべて求めおり立つその床と壁の汚さ
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いにしえと今とをつなぐ三十一みそひとのコエカタマリン飛んでけ、未来
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午後三時変換候補入れ替わり会社パソコンどっちの「たんか」?
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雨の日に振り落とされた上靴を救つてくれたすれちがう人
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校庭に響く歓声 子どもらは朝時から本気で遊ぶ
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人づきあい迷って嵌まって思い出すただ歌いたいそれだけだった
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ずいぶんと遠くまで来た夕暮れにかざすふたりの汚れたつばさ
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百年の 時経てもなお 輝いて 護憲三派の 足取りを見る
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生きたいと 言える強さは 無けれども 逝きたいと言う 弱さを持つ
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今日一つ明日は二つ許そうと 思う端からその倍許され
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五月闇これもあやなし風吹けば空さへ匂ふ軒の橘
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今年より短歌うたを趣味とし外出れば 目に留まるもの 花 鳥 空なり
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反核の座り込みまだ500回廃絶までは毎月9日
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カタツムリのままで良いから 裸の王様 なりたくないから
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はよ動け電車いいからはよ動け動け動け電車よ動け
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歌人から短歌うたの雜誌を三十もビリ生徒には赤点恐怖 \ 井上烏有氏に感謝
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ヤマボウシ白雪の降る里に立つ托鉢僧を思い浮かべリ
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スーツ着た大人や学生服を着た人達の中、私服で出勤
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目の前の自動販売機を見つめ、歌を詠んでたあの日々は何処?
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朝の駅 聞いたことない曲を聴き、ノッてる人に憧れてみる
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夢現 電車の音で目が覚める 最寄り駅まで働かせてくる
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AIが勧める音楽聴きながら、心を癒す 管理社会
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真っ暗の中に堕ちてく僕なんて、気にも留めない 朝陽が嫌い
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