麦わら帽 水着ジンベエ 三月で 夏の風吹く 西松屋かな
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春雨が 潤す蕾に 宿るのは 生命の息吹 春を告げる
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ぎこちないホケキョの囀り微笑まし春まだ浅い神社の杜で
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セピア色麻疹の記載母子手帳五十手前の息子の記録
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句を捻る 指折りながら 時戻る 足し算数える 小一の頃
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頭ではクリアになっているのにな 何が涙を生んでいるのか
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西の方 縋る思いは 人の業 白む東方 しらけるふたり
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長雨が怠いねと母とラインする ヒトも怠いが ねこも眠たげ
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なんとなく夢見のわるい日が続く 懐かしいだけの夢を見たいよ
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菜種梅雨 名前で呼べば雨粒が煌めいてくる 言葉の魔法
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緊張の 1週間が 過ぎ去って 色づき始めた 桜の木々が
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あと一歩春に躊躇し背景を塗り忘れたような景色は止まる
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雨の中 自転車乗りは 合羽着て 歯医者に銀行 膝下浸水
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音すれど人影の無い校庭に春休みらしさ感じつつ通る
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〇〇がどうなるのかと気を揉みつ桜の咲かぬ春の日の寒む
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僕と君 二つの青春が いつか また交わって 繋がる日まで
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物価高 野菜売り場に勝者無し カボチャ見送り ネギ値切らせて  
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子の爪は切るが使命と心得るも「夜中だから」と我が爪はまた
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傷付いてもまた立ち上げれかっ飛ばせドラマを超えた生きる伝説
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このように撮られ方など考えていまだ魔境を越えられぬまま
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カップめん 3分待てと誰かいう  過ぎてシャンバラ 広がりてゆく
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春雨に 敢えて打たれつ歩く道  露はいつしか はごろもとなりぬ
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神さまがくれるヒントはヒラメキと言う名の秒で消えるきらめき
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霧雨は 冬の寒きを 感せらじ 春は確かに 訪れたるか
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暖房を つけるかそれとも 重ね着か 雨の月曜 のどかな悩みよ
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見上げても 雲に晴れ間は 見えずとも その先にある 日差し想ふて
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満開の福寿草らを写メせしかば即「春ですね~」と嬉しき返信
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「清掃のバイト」と聞いて始めたらもう八年も続いた世相
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ローカル列車 春の風景飛ばし行く デジャブ見る様な懐かし里山
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どれ程の努力の末か快挙成す「尊富士」とう若武者の汗
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