守り行くこの世界にはいくつもの夢と希望が散りばめてあり
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戦えど勝利は何故か不確かで自問するたび目が霞みゆく
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舌の根を渇かす意味はもう無いよ 君を好きだと知ってのことだろ
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牡丹雪ポケットに入れ帰り道 肉まん食いつつ泣きたくなった
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退勤の空は日ごとにあかるんで風中かすか春の靴音
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青空と吹雪の中で待つの寒い電車の遅れ25分
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起きてても あんまいいことないからなぁ 君はそう言い 繭にこもって
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タピオカのテイクアウトがいいなって直視で透けるドリンク包装
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失って 失って失って尚 朝を迎えなければならない
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抗がん剤 ごめんねと泣く母 抜ける髪 美しい頭だと 「」は思った
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カフェインの 対戦相手は 眠剤です 判定前に 沈むだろうけど
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知らぬ間に 泣いていました 机にて 届かぬ思いは 辛いばかりで
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眠剤が 効いてる僕は まだ歌を 詠もうとしている フラフラなのに
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わけもなく ぬいぐるみ集める 従姉妹の子 聞くときちんと 名前がついていて
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眠剤は 気休めなのです 眠れない 理由は明らか 君への片恋
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苦しみは 僕の眠気の はるか上 どうあがいても 解決できない
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えんぴつを手に取り紙に向かっても ペン先が君の 笑顔を欲す
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動物に 例えるならば 僕はねぇ~ 雄のライオン 髪結いの亭主
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こんなのは 誰の為でもないけれど 誰かのその目に 灯したい歌
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すれ違う ときに肩腕 少し触れて ちょっと嬉しい にやけてないかな
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メモ帳に書いた昨日の備忘録 何を書いたか読めないよ俺
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月がきれいだからと君を連れ出して寒いからさと手を握りたい
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ため息を吐いた心の声に問う 逃がす程の幸せの在処
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寂しさは蒼く燃えると聞きました 私は蒼く光っていますか
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まだここに炎が点る場所があり 揺らめいている夜の悲しみ
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倦みてやまぬ心は 空に翔べよとて 吹き抜けの空 ハンケチを投げ
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口許くちもとのニキビを潰してはうめき臆病なまま罰を受けゆく
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祖母が住むホームの天窓見上げたら そうねこんなに冬だったのね
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ひび割れたブラウン管を蹴り上げて最後の嘘を吐き出してくれ
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振り向けば貴方と過ごし年月を心静かに懐かしむ今
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