死にたいを死にたくないに塗り替えて あなたの腕が我が蜘蛛の糸
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本殿前に蜻蛉とんぼの浮いていて お前も無事を祈りに来たか
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本当ほんたうはてんぷらなど供えたいが 怒られるので辞めた墓前
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外灯のひかり優しく手のひらにのった丸くない雪がとけてく
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彼氏にも秘密にしてることお湯のなかで泡が身体のにおい
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プレゼント消耗品は贈らないあなたの記憶に残りたいから
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嫌気さす歌ばかりだと顧みてもっと明るくなろうと誓う
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機能知るためだけにする 全角1いち23さんA🌛B💦C🖐️😀あれ😅これ(きのうしるためだけにする…)
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なまくらなのみで削って落としますそんな感じの仕事風景
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一行を書き出せずいてこわいのは私自身がこぼれることです
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昨日より痛くないぞと舌先で探りを入れるざわつきがない
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手作りの段ボール製ガチャマシン 結局火が点き本物もする
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こいつらもまめにめんどうみてやれば悲鳴をあげず仕事するんだ
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青空をムシャムシャ食べてみたいなと思うのはきっと寝不足のせい
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降ったかと白い平らな道を見る今日から冬がまた来るらしい
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絡みつき 現世と繋ぐ 凧の糸 風よ吹けよと 風よ吹くなと
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ポンポンと蕾開いて沈丁花匂いでアピール春が来たよと
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朝より風強い曇り日 買い物に行くのは止めようと女房が言う
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後ろから抱き締められてふと気づく君の鼓動が大きいことに
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コーリング あの日話した公園は今はビルが建っているみたい
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じっくりとコトコト煮込んだまろやかなシチューのような絶望に沈む
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あの子ん家みんないい人なんだけど出てくるお茶がどこまでも黒
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深い夜にオムツおっぱい奮闘し子と泣いていたあの日々愛し
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君の前お茶ばかり飲んでいたけど練乳くらいの甘さが好き
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はじまりの恋をするのは春がいい。寝坊して君に叱られたい
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「あと二度で弁当作りも終わるのね」「美味かった」って言えずにごめん
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蛇の目みたいな君の舌ピアス なんなのそれ最高すぎんだろ
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甘酸っぱい発泡スチロールみたいな食感の乾燥イチゴ
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遠からず「自分」になってしまうだろう。カルスにも似て眠る赤子も。
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次世紀のこの町のゴミ分別のルールのように知り得ないこと
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