静かなる水面みなもに米は沈みたり 確かにボタン押したるものを
10
サプライズも新発見もないけれど ふたりの日々は黄金週間
15
きみがくれたことばを綴じた花束が窓辺にならぶ 色褪せていく
4
ささやかな愛は誰かの悪意より 走る君の背押せているかな
10
爪先の冷えるリビング 雨の午後 ホットココアの沁みる温もり
22
嫌なもんだ連休明けの出勤は それでもおとなは続きにかかる
13
出勤か 連休明けは雨上がり このままどこかに歩いていけたら
17
厨房で子らのおもひで聞きながら餃子を焼いて連休締める
16
紫陽花の径に見つけし小判草 遠きわらべの日々を揺らせり
27
どのようなことばを尽すより先にそばにいてねと言えばよかった
11
広大無辺北アルプスの麓にて移住のチラシ無理とて憧るる
24
賑やかし 田植への準備整ひて 雨を待ちてか雨蛙鳴く 
22
とりあえず やってみようと 思ったら 一生懸命 やってみるだけ
6
シャワーからタッと滴る水の粒 舌っ足らずな五月雨のまね
7
あなたとの絆ピザ用チーズだね 過ごした時間ぷつり途切れて
7
生きたいと思えば思うほど短歌が下手になってゆく雨上がり
6
春晴れ にわか雨 光る虹は 君の色
4
兼六園くぼ地に張った水と灯籠 水たまりって美しいんだ
9
新しいスマホケースを作り上げいい成績表を見せるかの送信
18
花束を用意だけするきみにもしあげるとしても消えるものがいい
7
ラップ芯切られ着けられ時は経ち身ぐるみ剥がれて新作スタンド
14
寂しさはごめんじゃなくてより深く僕の心の夕焼けにある
29
薔薇は咲く 果たされなかった約束を交わした二人はもういなくとも
20
みずから望んだのでしょう?蛙のように動けぬきみへ
4
ゼミ終わり夕陽を背負って笑いあう若草光る教室の日々
19
手繋いでよいか聞く君いたずらにダメと答えて差し出す片手
9
スマホ無き時代に帰って文通のやりとりしたし令和七年
10
プロ野球、推しのチームの勝敗に一喜一憂、母親のごと
14
空席の光を抱いた矢は翔んで 置き傘ひとつ雨を待ち受ける
8
「終電がくる前に」と線路越え 手旗のようなシャツを振るきみ
5