キン肉マン 全超人が欲しい兄好きなキャラだけ欲しい弟
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珈琲の無糖に慣れてきた舌がたまらなくでバナナ・オ・レの日
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あこがれた日々は終わって黒い春田舎に帰る荷物は重し
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かんたんな服でつっかけ擦り歩き春のよどみをかき混ぜている
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トラックで通れぬ道を違えればこんな桜に呼ばれていたのだ
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首もとにピンクのスカーフひらひらと少し冷たい春風の朝
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みづくきの岡にそびゆる学舎まなびやの古びて時の流れぞ知るる
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セーラー服のリボンが上手く結べずにまっすぐ飛べない蝶であった日
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人づてにきみの就職先を知る 連絡網は更新された
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五七五七七完成感情の圧縮ファイル さあ今叫べ
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天皇おほきみに命捧げし益荒男ますらをの誉花咲く靖国の宮
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夢なかで自在に泳ぎまわったが時間切れにて溺れはじめた
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春の陽の海が輝く 振り向けば砂丘に足あと
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桜花今や咲くらむ吉野山麓も峰も同じ白雲
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左目の二重幅すら愛おしいあなたの誤差も私が愛す
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照れながらハート散りばめ君が呼ぶ 我が名初めて好きになるかも
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半袖や刈り上げられた髪の毛が私に夏を教えてくれる
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忘れてもいいよときみは言うけれど花の名前を教えていった
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形状記憶合金は赤恥を忘れたくても忘れられない
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たい焼きにカルピス味の骨がある世界線から来たという人
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息絶えた 星がどこかに 今日もある 明日は母の 三回忌です
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飛び出すと箱から何かこぼれそう それでも箱のままでは変わらぬ
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ガラス玉ひとつ失くしたくらいでこんなに指が震えてしまう
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辛い夜も月が示した方角に君の夜明けは常に在るから
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エスカレーター 前に5段の スペース開け しかし後ろに 迫り来るおばはん
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祝日は嫌いひとりが好きなのに家のみんなが家にいるので
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ここからと言ってるわりにべちべちと抵抗しては剥がれぬラベル
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本を閉じたら、文字の代わりに、何を届けよう。何を捧げよう。
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街灯が夜に浮かべた七分咲き住宅街は闇にて眠る
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いてててて いてててててて いでででで ででででででで ドライソケット
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