約束の手帳が届き「遅くなってごめん」に吹き出す 明日から二月
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味噌汁に刻んで入れた蕗の薹早春の味皆ほろ苦い
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こんなにもかしこいニャンコがいるだろか そう唱えるから かしこくなあれ(笑)
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感情は全て意義あるが「照れ」だけは何のメリットも感じられない
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尿が出ないびっくらこいて病院に行ったら酒の飲み過ぎだとさ
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気張っても短歌が出ない苦しみはうんこが出ない苦しみに増さる
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二年振りあがい求めたひいらぎは棚の上にて魔を除けて居り
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重心を あらゆる場所に 置けなくて 薄い氷の 廊下は翳る
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約束の つまはもう居ずに 待ちわびて 心が消えた そのひとの冬
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生まれたら 死ぬその日まで 自らの 思いのままに 生きてみるべし
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為すべきを 為していこの世を 渡るべし 空しき業に 弄するなかれ
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颯爽と 冬の田んぼに 群れ来る 黒いカラスの 逞しきこと
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カラスから 学ぶことあり 人の目を 気にすることを せずに堂々
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誰かから 愛されようと 思うから 嘘をついたり 背伸びもできず
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毎日が 同じ景色に 思えても つまらぬものと ならないように
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老い深き あの老人に いつの日か 十年後か もうすぐなのか
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摂理なら 逆らうことは 仇となり 川の流れを 楽しみながら
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川の水 上から下へ 流れゆく 老いゆくことは 自然の摂理
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老人が 橋のたもとに 佇みて 川の流れを じっと見ていた
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止まるたび 人で膨らむ 車内でも 青空ととも 今日走り出す 
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愛情もお金も優しさ憎しみも与えた分だけ返ってくるの
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雲上より 宝石箱を ちりばめた みたいに光る ひとの営み
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歩の先を季節外れの蝶が飛ぶ 亡母と思ひて 心和みぬ
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キッチンの菜園に残るみつば一本 陽だまり探し細き身のばす
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赤飯で七十六歳しちじふろくを祝はるる爺医にしてなほ働き盛りぞ
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初孫は、健やかでみんなに抱かれ、すやすやとひとなつこさnice & cute❣️
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お土産と 土のかたまり ニコニコと 拾った朝には 霜ばしらだったか
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ガタンゴトン、今日も月夜を突き抜けて始発は行くよどこまでも
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夜半過ぎ 鼾響かぬ 寝室に 寂しき気のする つまは入院
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夜半にぞ目覚めたるれば ティッシュの海 ちま猫、暇で 箱ティッシュ破壊
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