何年も 嬉しいことは なかったね こんな感激 忘れてました
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人生に 嬉しいことは 少ないが 少ないだけに 効果絶大
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そんな時 反省したり 我慢して やっと幸運 天から下る
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不吉だよ ホイルキャップが なくなって 炊飯器まで お釈迦になった
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冷たくて 長くて暗い トンネルを やっと抜けたか 採用通知
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やりました 採用通知 頂いて 思わず一人 ガッツのポーズ
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つまらない毎日だよと言う君が 幸せそうでほっとしました
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書き散らしうたい散らしてしまう時 花びらならば美しいのに
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今日もまた 攻めくる敵と戦えど 永久に倒せぬラスボスどこに
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時をかけ 積みしほこりも一瞬で 風に飛んだり吸い込まれたり
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世の中はおかしな人が多すぎる 思う自分もたぶんおかしい
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如月は雨のスタートでやや寒く 花粉予報に戦々恐々
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ブランケット かけてうたた寝する夫キミの 傍らポッコリ ねこもはいってる
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氷上の熱き戦いカーリング見入ってしまって動けぬ休日
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役立たぬこの手なれどもせめてもの思い巡らし節分会
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ざわついて しまう病院 二文字に 心配よりも 祈り届けよ
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霜が立つ 身の毛がよだつ 獣医師に 皆で震える マグニチュード5
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君を見て 泡立つ心臓ごぼごぼと 致死的重症不整脈だね
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おかしいなさっき洗ったはずなのに洗濯たまるの速すぎないか
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眠れないおはよう言わず食卓で 母が食事を完食する朝
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戦地でも被災地にでもありなんと 涙の跡の見つかる寝顔
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レッスンで「頑張りすぎない」言われたり 練習でなく弾き方につき
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七十の手習いピアノ先生の 手は少し腫れ主婦の面影
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脳トレに勤しむ母の検診で 誉められているその受け答え
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食洗の音だけがする台所 昨日の鍋の残りも黙る
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鳥の来てついばむ餌の散らばりて セキレイ動く庭の片隅
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お料理は出汁で決まると知りながら 昆布も鰹も使わぬ料理
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の国のお偉き人は聞くだろか イムジン川飛ぶ鳥のさえずり
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ふるさとの豆腐ちくわの穴の中 雪降る里が白く浮かびし
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春近し春は香りからやって来て  ちょっと隠れて私を見てる
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