追ってくる上下左右坂や穴階段の陰隠れて凌ぐ
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あの山の向こう側まで歩いたらぬるくてやわらかな海を見る
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群れ泳ぐ食物連鎖の底の蝌蚪かと 俺も底辺まぁがんばろうぜ 
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魂を磨かなければ痛くとも例えどれだけ血が流れても
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たべすぎておなかがぽちゃぽちゃすると言う 眠れぬ次女の自己分析よ
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倒れても回り続ける扇風機 時折怖くなるんだよ 死が
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名も知らぬ君と揃いのサイリウム報いがあったと気づいた光
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江ノ電のベンチにいれば春の日が膝のあたりをチリチリと焼く
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猫様のための襖の開け閉めは見えない主の気配で察す
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草むらに革靴片方捨てられて持ち主は今いったい、いったい
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想い出はカラーのままでしまわれて春の匂いが鍵を開けるよ
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そのまんま中島みゆきそっくりな知らない人におこられた夢
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ふきのとう踏まれてもなお笑顔にて悲しきことは流す力も
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指先はあの日の頬を夢にみる 君が旅立つ準備をしても
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世界から見放されてもそばにいてなんて言わないだから愛して
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皆さんに知ってほしくてわたくしは脳障害者で生きてる苦痛
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子供的 秘密結社と言うところUSJという場所らしい
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ポケットに 入れてた私の 古い記憶 気づいたら母に 洗われてました
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文学の過剰摂取は眠剤を飲んだあの夜と一緒だから。
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ドラえもん いつか助けに来てくれる 信じ続けて半世紀過ぎた
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『また明日』君が言ってくれたから 明日の天気がとても気になり
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どんな表情かお明日は見せてくれるかな遊び疲れて寝る元保護猫
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低血糖よ。そう言って君の首に噛み付いて震えてるからさ。
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「幸せになれ」と一言 野次を飛ばす 一生飛ばす 私に飛ばす
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春時雨はるしぐれ 僕が寝るまで やまないで 屋根を楽器に かなで続けて
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じゃんけんが好きな君のその指と私の小指は繋がりますか。
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君がため惜しからざりし命ながら消えぬるときに誰が悼まん
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酒クズと社畜どもしか乗ってない終電で君の家へと向かう
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AIの指はちぐはぐ表現じゃないものうまく描けないでいる
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マグカップ君の名前と好きなとこ刻んでおこういつか割るから
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