Utakata
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べちゃん
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地方住み 一児の娘を持つ会社員 徒然なるを思ひて詠む
曇天
(
どんてん
)
の果て
漂
(
ただよ
)
いし
明烏
(
あけがらす
)
降り立つ先は
何処
(
いずこ
)
と
詠
(
なが
)
む
10
朝光
(
ちょうこう
)
と曇る吐息に照らされて
淡
(
あわ
)
く輝きたる
白椿
(
しろつばき
)
18
秋風が朝の憂鬱絡み抱き 重ね見えたり金床雲
(
かなとこぐも
)
13
選挙カー
幼児
(
おさなご
)
寝てなお自己主張 民意と乖離 此に
顕
(
あらわ
)
れん
10
金木犀
(
きんもくせい
)
香らば
四十路
(
よそじ
)
はすぐそこに
師走
(
しわす
)
憂いて
皺
(
しわ
)
眺めしは
12
虫嫌い 肩に留まるは
秋茜
(
あきあかね
)
蜻蛉
(
とんぼ
)
ならば、と緩む妻の目
18
定時過ぎ外眺むるは宵の星 上着羽織りてもう一仕事
14
短歌
(
うた
)
なれば
三十一文字
(
みそひともじ
)
の拍子踏み 文読み遊び
聳
(
そび
)
ゆる思ひ
13
移りゆく
卍
(
まんじ
)
エモ過ぎ
言の葉
(
ことのは
)
界隈
(
かいわい
)
真の意味をぞ捨ててくれるな
10
蜘蛛
(
くも
)
の糸掴みて得るは ひと時の満ちた思ひ泡の如く消ゆ
7
それぞれの正義が呼ぶは
愛憎
(
あいぞう
)
か 行き方違えど 同じ
陽
(
ひ
)
のもと
13
紫竹路
(
しちくじ
)
や 未知を
窮
(
きわ
)
めて
幾星霜
(
いくせいそう
)
此処ぞ
柳都
(
りゅうと
)
の サグラダファミリア
8
夏は空 冬は雪とも蛙の輪唱 春に
灯
(
あか
)
りて鍵は悠久/鍵葉は青春時代
5