独りだと いろんな気持ち込み上げて 心ナカでぐるぐる 気持ち悪いよ
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いっそ黒に染めてくれたら楽なのに半端なグレーを生きる辛さよ
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メドゥーサの頭の如き寝起きの「鏡よ鏡」で乙女に成りゆく
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なぜ俺が 選ばれないの? わかってる。 こんな俺をさ 誰がえらぶか
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過去現在未来の橋を逆戻りも一度渡ろ君の手を引く
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波の中 流れてしまった君の顔 失ってしまった僕の顔
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なぜ好きか聞かれてすぐに口閉ざし それはきっとね、スキが多いの
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血を全部抜いたらさあって考えた人が居たから生まれたチュパカブラ
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葉桜に「普段着なんか見ないで」と言われた気がしちょっと恋した
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この街は果物買える余裕なく、ハンバーガーの哀歌が流行る
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食卓後 立たせてくれない台所 あの人の手に見えるあかぎれ
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透過する湿った風に煽られて上着の裾は闘魚の尾鰭
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後回しするな今やれ思うほど老いは気楽なものではないぞ
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生きていくことはそもそも大変でやりがいなんて邪魔なだけだよ
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変わったなあ出逢いでわたし、月並みさ それすら認め自由になれた
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「ご一緒にいかがですか」とチケットを、ポテトみたいに誘う休日
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北海道、右手で握ってブーメラン🪃暇を持て余した神々のあそび👴
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積む雪は弥生半ばを知らざるや陽射しに敢なく跡形もなし
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菜の花もふきのとうでも摘み頃を過ぎた新芽に魅力など無い
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ときめくものそれだけ残せということで貴方のことをこれから捨てます
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服ダサい、部屋が汚い、だらしない、甲斐性なしのダメな男ねダメなとこ そんなところも かわいいの 好き好き好き好き全部好きなの
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コンビニのドリアの深さみたいだね 飲み会のがや ぜんぶのはなし
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屋根たたく雨の音が好きなんだ 私はここで守られている
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素手でかえるを捕まえる君が目の前でうどんをすすっている
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君に抱く説明できない感情はおそらく未知の素粒子のせい
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冬ごもり 春は青しと知らぬものよピンと張る 縒り合わせた糸が切れるなんて 片糸より添ふ先に君見えず春は名ばかり 心冬ごもり
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陽だまりのやわい手のひらの体温を忘れられない雪の怪獣
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里山に山吹の花燦々と 女神に捧ぐ太陽のかん
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ぶらぶらと過ごす老後のわびしさよ男だったら立てもう一度
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木の陰のひとりしずかの花化粧 さくらの紅にひそかに染まる
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