ねこたちは ひとつまくらに をよせあい きたるおおあめ そなえたるべし
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選挙はねよく考えて一票を海の向こうを見てそう思う
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いつまでもヌルくならない珈琲を左手に持ち啜っています
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もう君の 片隅にすら 居ないでしょう? そう、はじめから なにもなかった
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手すりにはオブジェと化した忘れ物 何も弾かず誰も守らず
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ああ言えばよかった 蓮の花は咲き 葉には蛙が 少しく沈む
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沸騰をさせちゃいけない 味噌汁と君への恋が熱くなってる
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今から君が告げるのは別れでしょ 震える心を抑えて聞くわ
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三歳の頃のわが子を抱き上げた 淡き微睡まどろみ 夢の手触り
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我、刻限 待たずとしては 「田で蟇」 「甍に水」 「遅参しては蝉」
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かけひきをしてみたいなんて思っても 結局できない ただ君が好き
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目を閉じて深呼吸して沈んでは 離れられない重さを知るの
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たそがれに消えぬ温もり抱きしめて 月に吠える恋の負け犬 
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この先は 一人の道に 思えども さぶらふ貴方に さぶらふ我も
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ざわざわと さんざめいている 葉の影が 濃くなるほどに 額が濡れる
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1Kを引き裂く朝日が玄関のサンダルまで伸び別れを促す
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お別れも 寂しくないよ 泣いたとて 言葉と「サヨナラ」する日はこない
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情報で太った私は日に三度。情報として食べるラーメン
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「ありがとう」 その言葉に いつも癒される 感謝を込めて あなたにも「ありがとう」
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ごじゅうねんご 歴史家たのむ トランプの︵とファミリー︶ インサイダー取引 寄附着服 他国他社貢ぎ物 暗号コイン
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迷子かと問えば同じことを聞かれる 僕ら揃って迷子みたい 
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目覚め前 窓に差し込む朝焼けに 日記の昨日 色褪せてゆく
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ぜる手を 手枕たまくらにして 寝転びぬ 愛猫の頭のぬくかな
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涼風に 揺れる長髪ながかみの 君想う 嫋やかなまま 途方に暮れる
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どこまでも行きたくなるようなこんな日に 机で仕事はしたくないよな
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前髪を垂らし覆面マスクした女性見かけてギョッとしてみせ
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フロリダ のエバーグレーズは ワニだらけ 不法移民の収容所つくる \戦時下の日系強制収容所は砂漠地
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人を見て正義をかざす爺さんにからまれ世間は敵に思えし
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︻納涼︼かのちでは もうだれひとり しななくて みんなのこらず 彼岸にさった
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母語だよね 父は乳が出ぬ体ゆえ 子供に言葉 教えるなよな
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