徒桜あださくら 一まい一まい 降りてくる 絶望と 希望にゆれる メトロノーム
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根比べコンクラーベと独りごちダン・ブラウンの天使と悪魔
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目に青葉山ほととぎす春霞鰹は出ない母の暗誦
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朝遅く起きて今歌を歌を読むむ
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夏野菜 仲良く作る老夫婦 姿が消えて淋しい菜園
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しとしとと そぼ降る雨は 涙色 五月雨集め 新芽濃くなる
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後ろからそ~っと寄ってお腹などモフれば牙と爪の報復
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「小僧、仔牛やんけ、それじゃあかんわ」と訳してみたが合ってますか?(蛾盲さんへ照会)
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高くなる初夏のひかりは窓際のきみたちだけを選んで照らす
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窓際の床に寝そべる 日だまりの中 愛猫の小さな寝息
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想い人夜更けと共に消えゆけど静かに疼くあの日の記憶
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汗をかけ時に無邪気に時に耐え今日の影には五月病  
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羽枕ほぐしてみれば羽の立つ鳥の魂春風に舞う
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温かい からだを撫でて 眠くなる なでたら怒った 生きてる時は
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「気をつけて」 もうその声は 聞こえぬが  気を付けてかえるよ また来るね。
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瑞々し五月の色なり柿若葉 緑深くす夏の頃には
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天国は 行けないような人でした けれど上には 花が降っている
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おじいちゃん わたしね 煙草を 吸うんだよ 貴方より重い ラキストを
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祖父のこと ずっといるんだと 思ってた スーツもみせられなくて ごめん
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あなたが来るか私が行くか考えてる行くと私の方が好きみたくて嫌だ
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妻に教える 付きメール 日に一通 出せば覚える 僕のいない後でも
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酒場にて よわいを重ね聴くたびに 心に染みるちあきなおみちあきの歌は 
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いちじくの苗木を二本うゑたれば妻は甘露煮のレシピを探す
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草の中あなたをずっと追っていくいつの間にか見えなくなっても
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そんなにも力を込めているとまた赤子の頭が潰れてしまうぞ
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お葬式は 弔問外交 挨拶で 普段は会わない 人と知り合う
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走りたい奴だけ勝手にやってくれ 狂った赤の女王のように
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認知症 なりかけの父に 困ってた でも身体も痛んでた 動脈瘤破裂で逝く
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新盆の 揃って墓参り やりたいな お参りの後 七輪で焼き肉
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御自愛を と返されるのが イヤだなあ なんだか知れず 縮こまってるような
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