孫孫孫、爺爺爺、あああ、嬉しい、未来哉
6
テクテクとエスカレーター駆け上がる その右手にはスマホがおりぬ
5
今もなお車一台自由に買えぬ 大人はもっと自由と思った
13
これからは刺し子と短歌うたを趣味にする 残りの人生楽しく生きる
25
居酒屋のテーブルの端に空ジョッキ 聞きたくもない派閥争い
10
幸せな歌を詠みたい 寂しさも詠んであげたい 私は私
12
あなたにも夢見る夢があるのだし、私、一人で眠れますので。
10
夕暮れを映す東の空の雲ぼくだけが見るももいろの夢
12
ちま猫ちゃん たっち立っちで りょうて両手でひきよせる オヤツののった おてては だいじ
17
勝敗は とっくの昔についてても 今日も自分に 負けんなよ と言う
14
手の冷えた友だちをぬくめるためにあったかい手に生まれてきたよ
14
アルファ米水を注いで食ってみる食わんで済むを祈り食ってる
11
歌おうよ 笑い合おうよ おしゃべりが いけないなんて おかしくないか
4
人間の 尊厳さえも 否定する こんな人らに 負けてたまるか
4
ロバのよう 口応えせず 従えば いい子だなあ 褒められるわけ
6
喧しい 煩い大人 集まって 子供を注意 するのが仕事
3
喋ったり 動いたりして 注意され 俺が子供じゃ とっくに切れる
4
ベニヤ板一枚剥がれたベランダに 白薔薇の脈 しんと積もる
11
湯に浸かり 体が溶けない ことだって 奇跡なんだと ふと思う夜
9
大人らが 高圧的に 指導する 虐待という 連鎖反応
4
金欲しさ 労働のため 今日も又 小さい子らが 虐げられる
4
雨粒が かすかに頬を 濡らす時 やっと春だね 久し振りだね
7
美しき花は散るから愛される 「人も同じね」涙こらえて
10
灰にしていいよもうこれ以上神へ手紙を書いていられないから
8
変わらない悲しみだけをたずさえて二重のまちをわたる西風
13
花持ちて 月命日の 墓参り 涙・鼻水 くしゃみが木霊こだま
25
深夜便 昭和のアニソン特集で しばし眠りを妨げられて
10
象徴なら中々どかない鳩らしく いたる所に居座れ平和
9
お日様の如きガーベラあがなえば思い出すなり励ましの歌 /『花は咲く』
28
地震明け いつも通りに 出迎えた 一晩越しの 恐怖はいかに
16