平坦なちょっと落ち込むこの道をサボらず行けよ行けば分かるさ
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想い方、まちがいの中で間違えて、溶け合えるなんて虫がいいだけ
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いつ誰に教わったのか老猫よそんな上手に甘える術をすべ
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くらやみを裂いたひかりごと吹き消しそしてわたしはひとりになった
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インフルの恐怖を超えたこの卵ごめんね割るよ木霊のように
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真夜中に隣で止まる車見ていろんな事例累など思う
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里山の薄暗がりに居るようで妙に落ち着く我が荒れた庭
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知りたくてなぞる唇 やわらかな君の心も触れた気がした
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死後のことつかえが取れてどんどんと袋に服を詰める別れる
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可愛いとか本音っぽく言われたら間に受けちゃうっていうかもう好き
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保護家庭逝去の際に引き受ける寺があるということの安堵
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マルクスのヘーゲル批判読みあきて空見上ぐればひとすぢのくも
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かきくらし地軸は揺れて幕裂けつなにゆゑわれを見捨てたまひし
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映画観て 宮沢賢治 より好きに 乗ってみたいよ 銀河鉄道
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銀色のメスでとりだす苦しみは、きずあとひとつ残らぬように
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おろしたてヒールの靴に押し込んだ五本の指がきゅうと泣く声
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夕焼けの立て髪つかみ登ってく今日という日にさよなら告げて
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廃屋の庭隅に咲くスズランを散歩の途中に摘みて帰らん
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灰色に 染まった景色 現実か 違う私が 廃になったか
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魂の形が似てた許せないことも似てたねさよなら元気で
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確かめたい君の地雷が埋まる場所すでに何度か踏んでいるけど
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脳トレと記されし祖母のカレンダー訊ねてみたら麻雀ですって
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ドリンクバーお水でいいやと遠慮する四才は無料どうぞ召しませ
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「魂よ」問いかけ残る罪暗く満つるこの怪我いと酔いしまだ
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「ジジジ」季節外れの鳴き声心細く独り泣く蝉上風と合奏
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ベテルギウスはどこで爆ぜるって?主役の如く我が舌の上さ!
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響きたる花火の振動心地よい 夏の訪れ心待ちにす
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心地よい花火の音が響いてる 夏が近づく恒例の合図
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胸のなか広がる気持ちに無い名前。言葉より先にいつもあるもの
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近道を三回以上した人は出られなくなるらしいよ、IKEA
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