「ねえ、そこにどう書いてある?」読むならば文字より気持ち「また逢いましょう。」
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やわらかき桃をつぶして種を出す もう被害者に戻れぬわたし
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白桃にナイフを入れるやさしさでわたしのこころに入ってきてね
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生きてるよ 伝えたいよね 七年前 癌発覚に 震えた我等に
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あぁそうか バチが当たったんだ 君のやさしさなんか欲しがったから
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12時に サービス終えし スマホゲー 思い出胸に 忘れえぬよう
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向き合いしミシンの音の軽やかさ屈めた背なに薫風通る
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夕暮れの続きすぎてるしりとりをやめさせるため「終焉」がある
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許せたら あなたが私をぶったこと あなたがわたしに謝らないこと
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かくれんぼ 逃げて逃げても つかまった 今日のわたし ブルーな気持ち
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野に出でてみやこの薫り遠けれど葵の裾ぞ風に聞ゆる
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温泉にでも浸かるかのごと表情で眠り続ける一ヶ月の児
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汗くさい朝のしとねはありふれた愛のかたちを彩なしている
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この手からこぼれ落ちても恋だった 後悔はないと声を上げよう
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窓越しに通勤電車眺めをりみんな違って私だけダメ
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きおくって あざむくけれど きんにくは かけたじかんを うらぎらない/リハ
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何ゆえに シビレガスまき 倒れんと 澤瀉屋の主 まだ逝くなかれ
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フリクションが書いた端から消えていく二千三十八年五月
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左からくちなわ様がくねくねと前を横切り田圃に消えた
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死にたいと願った夜もあるけれど高いところはいまだに怖い
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郭公昔に恋ふと橘の香る窓辺の夢な破りそ
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何故ママはジュラ紀に産んでくれぬのか問はれどもただ謝るしか無し
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旅先の部屋に置かれた折り鶴を捨てることなく子に持ち帰る
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牛車より裾ほの見ゆる祭りかな蝶の羽風に匂ふ橘
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「病室を綺麗にすることがお見舞いよ」 その言葉胸に清掃パートいそ しむ
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裏切りも 色恋すべて 忘れたい だけどスマホの 写真消せない
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楽しみな事を見つけるたび思う その日までは生きようと決める
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躓けど掴みしバトンをつなぐ子のつらき折こそ貫かるる意志
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朝十時 空調の効かぬ講義室 暑くて授業に集中できぬ
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【SF】アメリカの 三大AI れんけつし 経済予想 株でもうけるひといなく
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