水脈を辿りて歩く山の辺に萌黄に映える ふきのとう愛らし
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ぷるふわのフレンチトースト飲み込んで 喉の痛みにギョッと戸惑い(熱は無し)
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あぁダメだ情緒が半分やられてる たかがドラマだ されど人生ドラマ
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オーブンでバターロールが四つだけ家族みたいに膨らんでいる
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興味から鳶の視力を検索す人間ならば8.0はちてんぜろ
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成長は親の要らない歳になる幸せであれ我が血を継ぐ子
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恋人も家もお金も美貌も無い ただ子に逢いたい我が子に逢いたい
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餌つつく 灰茶の鳥 ふたつあり 春香るまで 寒空青く
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道明寺菜飯を添えた桃の日の春の気残る三月四日
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天空を朱赤に染める朝焼けのAIよりもAIに似て
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真実は たやすく見えぬ 花曇り 事実もまた  煙に巻いて
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週初め 空気澄みきる 朝の道 はやる気持ちで パン屋を目指す
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今見てる動画終わったら、お茶飲んだら、トイレ行ったら、で先送り無限
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日本語を母語とし生きる運命とて歌は人なり弥生めでたし
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残り湯を吸わす介護の洗濯機気道確保に手を添える朝
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父親が 異世界アニメに ハマりおり 勧めた手前 嬉しくもあり 意外でもあり
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統計的には価値のない性別の「それ以外」欄(配慮の時代)
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旧友ら 会えない距離に 散らばれど LINEグループ いつもの会話
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ああ寒い 風が冷たい 手が凍る お日様白い 3月の朝
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不燃ごみ捨てられずもう1年半 叱る人のない2LDK
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空気 水 光り バックボーンなら 目には見えない しかし在るもの
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おめでとう素直に言えちゃう大スターだって私の推しじゃないもの
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紅々と映画のように日は昇り再生された記憶は燃える
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半月や中途半端な我睨み貴様は貴様の道を生きろ、と
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ちらし寿司 菱餅さくら餅 母になっても女の子 お祝いするのだ
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歌舞伎町に 行かなきゃ幸せが 分からないと 言ってたあのは 今なにしてるかな
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山椒はピリッとしている小粒でも 小さき弱きに個性の満ちる
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山肌の深き濃き見れば朝焼のはやまぶしさに気付く空かも
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片手間に済ませた祈りで十分だ 終わりはいつもあなたが決める
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春はどこにいったのよ⁉️ ちょっと忘れ物をとりに うっかりさんね
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