傘立てにささったビニール傘三本誰にも見られずただ立っている
10
雷鳴が響く空から目を背け 急ぎ歩く雨傘の群れ
18
かんばせがやけに近いと思ったらあなたは少し背が低いんだね
10
うなづきも首を横にも振ることなくただじっと見る目玉が欲しい
7
ネバネバの食材 身体にとても良い レンチンオクラに今ハマり中(オクラ納豆も美味)
16
ふと混じるタメ口にまでときめいて馬鹿みたいきみ彼女いるのに
14
ナチス、叛ナチス絶滅戰争の弥果に冬曝の曠野 骨
6
戰世近づきある 旋風風とは鉤十字紋章にほかならず は
6
天皇制督父は鐡杖をもて支配せ り、なまぬるき革命の血褐の旗
8
國政――、鼠講商に穢れゆく時を緑黄色社會が謳ふ「萬歳」
6
シンジケヱトより國粋主義者を作らうよ「撃たれた総理は二度撃たる」
11
動けない愛しい君を閉じ込める瞳の中の幻の部屋
7
髪切る間 三重のめいぶつ 味とうざい コメダモーニング レクチャー二千二百︵円︶
13
カルガモの子を見守りて おきならは そっと布被せ 穴を塞ぎ
18
塩と砂糖を間違えたような対応をしてさ。その蝉は鳴けない。
4
夕立に追われて帰る労働の熱も疑問も対流してる
33
かれこれと こいちじかん鳴る かみなりも ついにふらずに にわにみずまく
27
夢のままいつか枯れると知ってさえこのまま生きてゆくしかないの
11
もう少し無邪気になれたら言えるかな 「貴方の様になりたい」なんて
8
ワンピース 紫色が 鮮やかで バイスサワーと 同化した君
19
鮮やかな マリーゴールド 軒下に 並んで咲いて 夏本番ね
25
時代とは何であったか夢かうつつかつかのまの我がふるさとよ
12
黄昏にぽつり佇む ペディキュアの紅の鮮烈 黒髪のひと
20
ハンディファン持ち歩く人見かけるが外は風あり見かけだけかも
13
ベンチャーズ追いかけエレキ楽しんだビデオに残る君がサウンド
20
ねえ先生いつから授業に出るのと聞かれ戸惑いつつも心弾みぬ
6
白球はっきゅうと泥のきらめき野球部の汚してこその服だと思う
12
草刈りと車の音に紛れつつあれもしかして蝉が鳴いてる
24
アンプに挿しスイッチを入れ音ならしライブ開始の三秒前
4
ベースの音響く低音家の中物語る指練習の量
7