下り坂 上り坂とが 交差する 老いてゆく者 育ちゆく者
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今年こそ 消えてなくなれ 花粉症 そう願ってから 10年が経つ
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子供らと 坊主めくりに 興じれば 笑いの神が 奇跡降臨
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蜂の巣のようだ窓から見えているマンションそれらの窓のそれぞれ
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悪人の 数が多すぎ 多数決 弱いものらを 強制指導
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俺が今電車の中で思い出すようにあなたも思い出してくれ
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世の中に 理不尽なこと 多すぎて 何が真面か 誰もわからず
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「うたかた」の出会いのように儚くてさよなら言わず波紋に消えた
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ハラハラと梅の花びら散りゆきぬ両手ですくい春を惜しまん
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うす紅のちさき花びら舞い降りて真っ白猫の首を飾りぬ
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何となく 世界が色付いて見える 3月になっただけだというのに
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朝が夜昼が昼夜は朝このどこにでもいれていれない
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なくなった言い出したから買ってきた子供用のハサミが二つ
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一日に一首の短歌うたを志す 続きし不思議ひととせ過ぎし 
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今月は朝活時間を大切に 小さな種が大きく育つ
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頑張った子らを迎え撃つ予算不足 すくすく育ってほしいと祈る
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メキメキとメッキを貼るのが上手くなる ありのままで君と出会いたい春
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「百聞は一見に如かず」と動画ながめ手順通りにパソコン再生!
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緩やかに 穏やかに終わりへと向かう 人生はそれまでの道草ね
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黙り込む二人に風が吹き抜ける春の嵐よぜんぶ持ってけ
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許されてしまう軽さに戸惑えば花びらだけが風に舞ってた
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ストローをシュークリームにぶっさして吸ったひとりになれたしあわせ
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ひるまにはうまく見えない空にある細かい穴を通る死ぬとき
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あのころは未来が無限だったから最小公倍数がなかった
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霧が立ちこめてしまって深い霧見えなくなって仇でさえも
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シロップと白桃にフォーク突き刺して 午前2時の秘密の茶会
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カーテンの隙間で揺れる白い影 静かに満ちる午後の寝室
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ビデオには幸せ『だった』頃があり無くした部屋で微笑んで泣く
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寝る場所が 寒さによって 変わる猫 布団に来ない 春の知らせ
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あのうめも このうめも名が あるけれど ただのうめとみる たにんみるみたいに
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