みどりごのむずかる声に愛のある笑い声立つ待合室に
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それぞれの少年それぞれの少女どちらもドンキホーテのように空へ傘を刺す
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失った後の気持ちは悔しくて失う前は分からないから
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質感も色も変わったクッションにぬくもりだけで慰められて
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二日前 彼のとなりで見た夢は口から出ずに消えてしまった
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雀との距離が縮まった気がして逃げる彼らの鳴きまねをする
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ここは海じゃないこと知っててこんなにも僕を癒してくれるの海月
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ささやかな誕生祝いのあて先はたった二ヶ月先のワタクシ
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牡蠣届き 生を喰えない奴、フライ? 酢牡蠣しかない 加熱用買え
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足跡は新雪踏みて倉庫まで「犬のトイレはここではないよ」
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前歯ない姪が「ひみつ」と金平糖くれてゆっくり溶ける手のひら
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孤独死の 行場亡き膿引き込んで おまえの居場所 消してやるから
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セブンイレブンで 一人用ケーキ 出るそうな 数量限定 ちいかわコラボ
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七割は幸せな人が三割を補充しに行くコメダ珈琲
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ストーカー先輩が ころした理由わけなど解らずに 愛することが 凶器なんだよ
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咲き残るキバナコスモス愛らしき 彩り褪せゆく遊歩道にて
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クリピより ヒルクライムの方がいい 言いたいことが 真っ直ぐにくる /オヤジにはね
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甥からのフランス土産チョコレイト絵柄エッフェル包みし甘さ
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インスタの珈琲店のミルクレープ今週末われのご褒美
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琥珀色 アイスティーに 癒されし 海辺の席で 心ゼロにす
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湯気の立つ カウンターでの 一人鍋 ポン酢の香り 引き付けられて
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シクラメン 冬の寂しい 窓際に 鮮やかに咲く 赤さ強くて
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寂しさと寒さの間の星空に送るカードは宛先不明
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あの頃の「スタジオ101いちまるいち」からの 今も響きし 『赤い鳥』の歌
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世の言葉 取るに足らない あまりにも 君の魅力 表せられん
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内耳を震わせ左脳の言語野を刺激するat randomな光の信号
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あなたとの思い出ひとつ消すたびに消しゴムはきっとまた黒くなる
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ほろ酔えば いつものきつさが 苦しくて 心のベルトを ニ穴ゆるめる
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冬の夜に 凍える風を 浴びながら 僕の心は いつもうららか
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あなたへの 想いはいつも 果てしなく 六年続く 片想いかな
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