形而上学的桜は永遠に散り続け
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春うらら 窓辺に映る大木の 力強さを芽吹きに感じ
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桜の木 雨風凌ぐも 散り始め 富士が遠くに かすむ散歩路
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スプリングコートの出番も最後ラストかな 明日から初夏 春は何処いずこ
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若緑花に混じりて瑞々しく陽に輝ける葉桜も良し
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背を出してバシャバシャ登る鮒の群れ用水畦でカラスが待つ
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折らずとも残る花かは人よりも風を咎めよ春の山守
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幾千の衝突を経て肉体は神へ捧げる一瞬を知る
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物騒な 喧嘩を売ってる わけじゃない 真意が知りたい ただそれだけで
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いくらでも 無駄を話せる 関係を 愛おしく思う 有限の世に 
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晴れました昨日の雨風嘘のよに春の傘折れなんてなんのその
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静けさと 日陰の涼しさ 春なれど 一歩踏み出す 勇気がいりて
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肝臓の 検診数値正常に 旦那ドヤ顔 シジミのお陰
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解釈も 地雷地点も 違う他人ひと 同じ人間ひとなのに 分かり合えずや
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モコモコの靴下達を しまい洗い 冬物グッバイ 洗濯日和
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ベッドの上 おかあちゃんまってる ちま猫を 撫でたら「ゴロゴロ」よき目覚めかな
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ささやかに生きられたならそれでよく、それはそうとして好きに死にたい
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挽きたての コーヒー片手に 空見上げ 切なさと幸せ シーソーしてる
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水面すいめんを流れる白い花弁かべん見て、川上の桜 思いを馳せる
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暗雲に 心乱れし 言の葉に 明日見えずして 涙ぞこぼれる
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かかりつけ医師が年下だと安心 ずっと元気でいてねと願う
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去年こぞの春散り交ふひまほの見てし面影恋し花の下陰
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わかってはいるのだけれどそっちへはハンドル切れぬ己じくじく
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春はただこの一時ひとときの名なりけり桜天霧あまぎる曙の空
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食べ物の名前のついた犬を飼う幸せな夢のような夢だった
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桜花散りひ曇る高嶺より霞の空に出づる月影
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今日だけは私に従うと決めました私以外は一旦置いとく
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屋台消え人がまばらな遊歩道ゴミ拾いする爽やかな朝
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サヨナラを言いたかつたね好きだつた先生辞めてもうゐない園
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ビデオにも戦争がありいくつかの戦後をくぐるこの部屋がある
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