伝えてもただ虚しさが降り積もるこれが恋なら知りたくなかった
9
温度計 のぼる数値は うえ空めがけ はためくもの洗濯物と 双璧をなす
8
天国へ至る階段僕たちは刻一刻を登って生きる
9
買い物へ 一緒に来た妻言うことにゃ あんたが来るといらんもの買う
15
びぬ道路コンクリ室外機猛夏が来てもまだ絵空事
10
バ先から見えた花火がいつもより大きく見えて憂鬱吹き飛ぶ
11
なにゆえなる 我は日本文学にちぶん 学んだ身 筋金入りの平安マニア(笑)
12
それぞれに おきにいりの箱 入り込み ねこはねむれり しあわせそうに
15
クーラーを消して森林公園へ 木花虫に生きてと願う
9
文章と作家は切り離せと言ったその日に読む井上ひさし
5
本たちが大気に染み込ませた薄黄色と僕が持て余した青
6
さあ走れ古典のノートを齧る紙魚 夏が過ぎたらまた帰ってこい
6
照りつける 夏空の下 生まれたる メダカの稚魚よ 大きくなあれ
23
大人女おとめらよ「光」をなぜに好感す 現代いまの不倫は容赦せぬのに
7
雨戸開け鉢植えダリアにおはようと言う花の顔見れば猛暑の涼なり
11
「今日やるべきことをやるだけ」と横綱 よっこらせ汗拭いて俺も会社へ
9
午前六時 山あい響く「夏はきぬ」 市の広報の「今日もがんばれ」
8
存在の重さ教えた入院の 夫のLINEの丁寧な語尾
11
この星に 今流れてる涙あり 集めてみれば 川出きるほど
8
早朝の涼やかな風 贈りたし 本物の涼 箱詰めにして
7
老害もフキハラどれも耳痛し されど人なり胸懐を持つ
18
世にあふるるみそひともじにこめられし圧縮データは解凍されてこそ
9
クマが出た 心配ないさ 顔だから ストレスたまって 不眠症なり(´・(ェ)・`)
10
み缶詰🍊 タッパに移し 冷凍庫 ザクザク、屋台の 冷凍ミカン
12
眠い目が 見開く心を 留まらせ 闇夜へいざなう まぶた合わせて
10
「もうだめだ」 言っては山越え 生きてきた 老いの山脈 まだ続きあり
21
君と見た花火を今年友達と見ながら思い出すあの日々を……
12
アメイジング•ブルーを奏でる透明な朝の震える虹に雨の糸
11
オリンピア若く麗し涙こそ阿部詩うたに残して今超えてゆけ
23
スポーツは応援専科の我が家まで深夜勤務に巻き込む魅力
19