しあわせな けっこんなんかは さいしょだけ 周回軌道で ロケットつかわず
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そのじだい そのぶんかから はなれてて わたしつらぬくは てんさいのしごと
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あの月は神様の覗き穴だって言ったらきみは信じてくれる?
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れんあいの 才能あるなし むししてた 明治の作家は つみつくりなの
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ようやっと 本葉を出した夕顔の 横に三つ葉の元気なすがた
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塩まみれだったおれらは夕立に打たれてすこし光ってたよな
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ニイガタの漢字書けない推し尊しカレなら幻滅もう会わないわ
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施設にて 隣の医者に 告げられる 風邪は見ないと 断れし友
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保育園 息子と孫の 踊りみて 微笑みながら 過ぎし日思う
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言ってみる 夜空に花が 咲く瞬間ときに 届かないと 分かっているから
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君が"すき "たった2文字 言えなくて 今日も隣を 友として歩く
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君からの 返信見るのに 怖気づき 通知を切って 見えてないふり
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分かってる 君の視線の 先にいる 誰かが私じゃ 無いことぐらい
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あの夏は光輝ひかりかがやく あれ以上の景色をいまだ見たことがなく
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まどろみのなか人間に戻りゆく きみの副流煙に抱かれて
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大雨は 過去のと違う 驚きの 壊れまくった 荒ぶる世界
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会社を早く辞めたくて結婚す 「そういうきっかけでもいいじゃない?」とかれ
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才能ない諦めて実家帰るか花の東京世田谷の朝
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君のその誘惑になんて乗らないよ チョコパイ抹茶味 横目でチラリ
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病院の面会やっと始まった 静まる病棟光が差し込む
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扉立つと対向列車の死が走る。 過れ違う度に硝子を叩いて
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じぐひらの未来の光を浴びながら ワクワクできる自分に乾杯!
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まっすぐに 伸ばしていないと なお痛む 背を丸めるなと 己に言ひたり
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身支度の さいごに十字架クロス そっとかけ シルバーアクセの 安物プチプラだけれど
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重複ちょうふくと読むんだ、重複じゅうふくではなくて」きっと間違いではないあなた
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土曜日の昼下がり息も絶えだえに身動きできず差し日が眩しい
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でも花になれた人とは目の位置も呼吸の仕方も違っているし
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マニュアルとは難解な物なり 宿題をする子のように マイノート書く
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赤ちゃんの名前 流行りの変遷に 勤めし歳月の長きを知り
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親という役割でしかも自分から始めた役だちゃんと演じろ
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