タンポポの綿毛とばして日が暮れて買い物袋と君とご帰宅
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向かい合いはにかみ笑い尿ゆまりする携帯便座持ち歩く旅
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不成就日 いいことなくもないみたい 合わなんだキャリーの返品案内>詐欺メールじゃないだろな
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春が来て筆箱の中の高いペン 今か今かとその時を待つ
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カウンターだけのお店に連れて行く まだそこまでの関係じゃない
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押入れの母の日記は少女趣味  地続きだとは思えぬ4月
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癖毛とか 変な形の眉だとか 出っ歯だとかを愛させてくれ
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したあとの京阪電車は生ぬるく  含み笑いの朝の太陽
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酷使した目頭おさえ乗る電車 まるで揺籃 おとなも眠る
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バテぎみだ 春と夏との せめぎあい 身体思えば つわを煮ようか
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落ち込んでいる僕のこと好きならば小さなことで狂い続けよう
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未経験 飛び込んでみて わかること 頭でっかち やれば楽しい
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はっさくを四つ袋でまとめ買い 必ず一つはハズレは混じるよ
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肉球を むぎゅむぎゅにぎって 迷惑を おかけしてます 愛が止まらん
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眩しくも燦々輝く魂は 万物照らす日輪の如し
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狂おしいあなたに向けた感情を 言葉に出来ずにただ推しと呼ぶ
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春だよと 野に咲く花々がうたうから  そうだねと頷き 共にみる朝日
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幾色の 飴玉手に入れ我は行く  制覇し荒野(砂場)の先ある 未来(戦場)へ
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盛り上がる気分が欲しい過活動膀胱にもう二十年です
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暑すぎず寒すぎもせず風そよぎ 散歩と午睡に至福の時候よ
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私らが食べたいけれどいちご飴枝豆コロッケ賓客への品
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しばらくは並ばないだろう売れ残りいちご飴にし来客に出す
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私には 面白くない分からない それを面白がる君が好き
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月の下 すみれの花咲くその丘で 夜風はオカリナの声を聴く
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折れそうでドキドキしながら触ったね 思い出しつつ子の爪を切る
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おかしいな野菜売り場をうーろうろ 安くて子が食う食材はどこ
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サヨナラを重ねるだけの人生に 推しの名前を刻み続ける
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推しのこと何も知らないんだ おかしいね 死に様だけは知っているのに
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一限を寝過ごした朝唇が君の匂いでかなり気まづい
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アルバムの中でケーキをほおばる着物のわたし きっと大丈夫 大丈夫だよ
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