見つめると遠退くように見える空遥か東に光溢して
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大好きととなえた数は絶対に 夜空の星より多いはずだよ
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給わりし飛び魚の身で人波の時化ゆく暮れの巷間を飛ぶ
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ガムを噛む夜遅いのでガムを噛む味すぐ消えるガムを噛む噛む
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こんなにも 未来を託す 人がいた 希望の光 見た思いなり
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盛り上げ隊 思い新たに 企画する 未来を拓く 新座談会
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母親の日記をかくれて読んだ日の淡い女性はしたたかなこと
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静と動 真逆のようで 延長線 静から生まれ 心身の動
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昼日中 身体の中に溜め込んだ 熱を吸い取る きゅうりと奴
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「冷凍の餃子は駄目よ」言う叔母よ 今食べてるの 冷凍のですが
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エアコンに 過重労働を 強制す 軋むルーバー ブラック経営
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梅雨も明け いよいよ暑さも 極まれり 洗い桶の中 泳ぐクワガタ
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東京の 夏は 暑いが 静寂で 電話越しの 蝉がうるさい
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3年間息子がお世話になりました 感謝を込めて部屋掃除終え
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後悔をするような余地無くすため一生残る傷をつけてよ
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わが猫たち ゴハンをいっぱい食べたとさ ラインにホッとす 半分だけだが
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末っ子で要領よくておしゃべりで 笑顔の貴方あなたは私の太陽
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人混みの中で必ず探してる いるわけのない遠い貴方あなた
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夏も暮れまだ飛び立たぬ雛燕ぼくらは時季をのがしつづける
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ひらはらと 点滅をする 言の葉を 留めてくれぬか 夏用シャンプー
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蝉時雨 煩い位に鳴きここに殻を残していった貴方も
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ひと夏を塊にしたような雲雨を降らせや大雨降らせ
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オルゴールみたいにゼンマイ回したら歌を歌うよはんぶんにんげん
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この時間スキマ 往復できるものならば そんな考えも頭をよぎり
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夏の日に香水かいにデパートへ新たな香りであうたのしみ
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青空がブラインド越しに描いた夏の残像染まる左手
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一段と大きく聞こえるテスト後の終鈴 眩しい夏の始まり
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スタジアム 沿道で聞く 歓声を 切り裂き響く 金属のおと
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まだ硬い歯ブラシが歯に慣れる頃きっと私も貴方に慣れる
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妻の声 新たな気づき 感謝する 高なる声に 腹の立つとも
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