ふたりには未来はないよそんな年齢とし だけどちょこっと期待をしつつ
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文字だけで伝えることは難しい どれだけ気持ち込めたとしても
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行き絶えて 秋の手口の あるものを 良き逢坂は 君の恋時に
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手洗いをほどこす お気にのニットたち 気分あげてね また来る冬も
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人生があと半分あるのなら十年くらい待ってあげるよ
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一年中四月の終わりの陽気なら良いと思うは午睡の夢なり
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あんぱんとドライフルーツで桃酒のむ 今日はオレンジ 明日はりんご
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カーラジオ流れる昭和ポップスでひととき高校時代に戻り
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目を閉じて浮かぶあの人いつも笑顔 誰かに浮かぶ我はどうだろ
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雪解けて レンズ越しの 花紋様 笑う夢には 人の花には
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目一杯吸い込んだ息を一吹きに 綿毛を飛ばす赤いほっぺた
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市場いちばなるおうなに母を思ほゆれ やがてつつじも雨に染むらむ
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朝八時だあれもいない公園をひとりじめする小さな兄弟
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愛猫と 惰眠むさぼる 昼下がり 全力抜いて 私を放つ
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欅の葉 揺らす風に雨の匂い 春の終わりにくしゃみひとつ
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美しく 咲く花の名を 躑躅といふ 父のLINEで 学ぶツツジを
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半分を生きし昭和の感性を笑わば笑え足掻いて見せる
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名前などあるからここにいつまでも残ってるんだ 愛してたとか
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ネモフィラの名前を知らぬこどもでもきれいだということばを知ってる
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いちご摘み そのはなびらはシーツのようでわたしのこころをやさしくつつむ
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春の盾勝ちし帝王 ロイヤルな夢を見たのは二十年前
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おひるあと ねこはうろうろ ぱとろーる 歩数計などつけてやりたし
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ヤマト騙る あやしいメールが届きたり 実に巧妙 わずかな違和感(気づいてよかった)
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放置したプランターにも花が咲き 自由極まる庭よ栄えよ
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寒暖の山越え谷越え気付いたら 4月も終わる春は何処いずこ
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公園はテントがいっぱいパパとママ  息子独り身 後悔ないか
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祭壇の在りし笑顔を仰ぎみて真白な百合と頭を垂れり
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今までのように行かぬと猛暑日を気に掛け迷う塩麹作り
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ハムエッグ ハムとエッグが分裂し 黄身と白身もなぜか分裂
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猫用のシャンプータオルで手を拭いた いやいや ちゃんと洗いましたよ>一枚余ってたから
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