すくっと立ち下向く花のおだまきは 静御前の舞に揺れてる
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約束を断捨離すればこの部屋で 宇宙の果てに近づいて行く
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夜八時体育館を出たあとに夏のにおいがした気がしてさ
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知り合いが、息子が、夫が、お隣のサイトウさんが、 それで、お前は?
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ガラスのハートのお方は必見です欠けた割れたは金継ぎ無料
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考古学そんなに病気ではないと離婚エジプトずっと青春
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一曲目爆上げソング路上歌手趣味だからまた音痴でもいい
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不器用な古希がビールにまた逃げてやめたんですかには詠んでるよ
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本読んで続き気になる夜だけど今日は寝よう明日が来るから
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この星の どこか遠くに いないかと 我と同志を 分かち合えるひと
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青線の珈琲カッブにフレンチプレス遠くなりけりイルドフランス
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短歌む 思い浮かばず その時は 三十一文字みそひともじが 長く感じる
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光さす水面輝く谷川に紅つつじ咲く大岳の里
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楽しげな子らの声きく朝の空見上げ我が子の明日をおもう
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転んでもケガの無いよう歩き出す。ならば歩き出すなと言われる
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人の目は欠点ばかり見つけがち君の伸びしろ私は見える
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おろかなり たまご四つにマヨネーズ お塩多めのおいしい魔法
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目を覆い耳ふさぎ込み遮断するそれでも響くくぐもる鼓動
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人生の今まで出会った喜びがふと溢れたいそうでありたい
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部屋に射す朝の光は目ではなく強く心に切り口を刺す
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空の海 魚の腹を見上げてる 命のうねり星の赤さを
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布団射す時間がわかる陰影が寄り足していく皺が波打つ
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わたしのことなんて全然好きじゃないこと、わかってるよ 好きだから
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さくら舞い ながれる春の いとしさよ 行きたいところ ぜんぶに行こう
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まだ枯れぬ 嗚咽する母を ねこたちが 心配そうに まるいおめめで
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連休だし 美味しいものが 食べたいな たっぷりの出汁で 根菜を炊く
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十年も経っても息が苦しいよ どれほどの涙で長女猫あのこを濡らした
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トマト缶 開けて広がる イタリアの 陽射しと想い出 頬張りながら
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僕の夢 君が彼方へ 持ち去りし 何も無くなり 一から重ね
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テンションが上がる宮島さんごとにビールを飲めばまるで初恋
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