猫が伸び 洗濯物が風に揺れ かけがえのない何もない午後
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ぼくだけが知っている アンタレスから生まれたきみの骨があかいと
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19時に仕事を終えて外に出る 「夏終わってる!」思わず叫ぶ
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目のまへに立てどひらかぬ自動ドアは只今かほを赤くしをらむ
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久々に巡ってみれば年寄りの影が薄いぞ三年すりゃね
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そよ風が向日葵畑をかけてゆく私に向かって夏が手を振る
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まだ暑い8月下旬の公園で戸惑いながら秋の虫鳴く
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ひさびさにきゅうりとパプリカピクルスに 一日漬けてる時間さえなかった
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葉でも穂もこれにゃ目がない僕たちはまた持ってきてエノコロの草
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ちり〲に離るる銀河うすあかく彼と我とのへだたりと見ゆ
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八月の生ぬるい風エアコンのないこの部屋をまるごとさらう
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ぴかぴかのとちの実見つけ伸びる手を「大人だから」と引っ込めて居る
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わッお湯だ。冷房の域出たならばこりゃあ風呂だぞ茹だっちまうぜ!
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ぼんくれば 分枝ノードは おんなたち ひとりひとりに せかいができてて /修正しまうま
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湧き上がる固体みたいだテラテラとなんて立派な積乱雲か
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夏の終わり せめてもの夢 みてみたくて 本屋をめぐり 新しい本買う
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うちの猫ら 何故にふたりとも行き倒れ風 単にクースカ寝ているだけで
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焼肉屋でランチした日にもらったの 棒付きキャンディ 大人でも嬉しい
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新幹線これほど混乱 見出しなるニュースよそれは偶然の技
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百日紅さるすべり歌に詠むとて目れども丈高くして手にぞ届かぬ
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僕だけの神様だった君は今日別の誰かの恋人である
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いつになく暑くて青い夏の日に祖母は息を引きとったようで
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悩んで 送った言葉はいつも通り 明るく、軽く 本音は隠して
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とばねえ豚が 借用書 紙飛行機にして 飛ばす たそがれて そら
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ベランダの蝉 まだ飛べると声掛ける がんばりやと空に放つ
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とほしろし くもりはらひし日輪にちりんの 眞白ましろ目映まばゆき東雲しののめの空
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うたいっしゅ はもんひろげて ひんやりと きたのくうきは ねっとでとどく /いのっています
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台風明け 予定の宅配 来る・来ない? 連絡ないから 花びらちぎろう
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チャリ坂を さけてのぼった ひかげ坂 だらだらながく アイスがとける
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秋恋し 今はまだ見え隠れする 気配を探す かくれんぼの鬼
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