さよならを言葉にせずに就職し恋のおわりをごまかした夜
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二つ上いつも名字でよんでいたあなたはぼくの美しい人
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アジサイが まだ青々と 咲いている チクチクするよな 酸性の土
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遠足の 前日みたい 眠れない 心ワクワク ユニクロに行く
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白露はくろてふいひぞ人なむ言問こととはば汗の流るるころと答へむ
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乳臭い赤ちゃんになる願望が 僕の中にはあるんでしょうね
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:笑ってYES、職場用 私:枕を濡らすだけの日々
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秋の日に風に揺れてる秋桜を眺めて一人夏は過ぎ行く
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持ち歩く手の平サイズのメモ帳に短歌うた読めそうな空の高き日
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長編の夢の世界を駆け巡る旅から戻り心は虚ろ
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通勤の走行音に揺れ動く重ねた月日何ら悔いなし
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午前5時 スズメが鳴き始める頃に 甘く香りたるオレンジカモミール(再入眠し損ね)
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信じたい あやふやなこと 本当は みんな同じさ 見せないだけで
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はんぶんこしたはずなのに星が出ないスターフルーツの末裔なのに
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ぴかぴかに磨けば鏡になりますか? 月は地球を映しますか?
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みんなして優しい冬の帰り道 そらにはふたつ満月がある
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わたしなら きみを詠むのに きみからは 歌を詠めない 誕生祝い
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離れてるあなたを想い眺む月 照らす街にはぼくしかいない
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ふと気づく インスタのっけた砂浜は 好きな漫画のあの一コマだ
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ぶっそう どのくらい死んでるだろか 五丁目の庭思う 彼岸の夕べ
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藤色が 似合うねと言う きみといる 息子が寮に 帰ったあとに
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妻に言う 私でも推しに 全然負けてない 普遍の権利 それは人権
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同じ夜 同じ手癖で抱いたもの 思い出せないのもう僕だけじゃ
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時には一つの文章で息苦しくなるくらい言葉は強し/詰まった風の韻
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君の見る世界はどんな色なのか 私はどんな表情なのか
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疲れてたって泣いたって メイトープリンは買わないとない
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ちょっと見て 血がにじむ指も見せたいし 割れたコップも見せたいんだけど
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終わらないと夏が駄々こねアスファルト焼き尽くすような日差しでさす
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「抱き合えば窓のガラスが曇りだす部屋ありますか?」と不動産屋に
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潮干狩り「粘土いじりが好きだった」の妻のバケツ さすがずっしり
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