縋りつく 勇気もなくて あなたには 「大好きでした」 のラベルを貼る
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最後だと 決めてはじめた はずの恋 曖昧なまま 溶けて消えゆく
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ありがとう こんなにつらくわかれても つよくつよく おぼえているから
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気づいたらADHDのみこんで秋の光を頬に集める
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もう泡になるのはイヤだ叶わない恋ならそうと言っておいてよ
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湯に浮かぶ まぁるいふたつの 膝小僧 そこだけ風邪を 引くのだろうか
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老若男女犬猫赤子の区別なく敬意を持ってひとみしりする
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十二時の魔法が解ける この紙がやらなかったことリストに変わる
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夜半よわすぎて なぜか腹減り 食うべきか 悩みつすする コーヒーの味
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一日いちにちを 振り返っては 書き出して 記録と日記 でもある短歌
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無心とはどんなだろうか青空に形を変える雲を見ていた
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折り紙の折り方記憶に残らない完成品は確かな証拠
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なんでだろコーヒー飲んでいざ本を読もうかまでで終わる秋の夜
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泣く事も腹立つ事もミュートする紙で造られ開花した薔薇
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十歳も年下の子と話すならそれなりの態度と責任を
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告白の虚構性にて成るものを買いためて自己という旅
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君たちが思い出にしたこの場所を 駆け抜けていく強さが欲しい
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冬の朝 一番乗りの教室に 神様のいた 陽だまりのあと
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1つ 微笑みながら 泣きながら いろんな人が 見てるんだろな
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野良猫はかわいい勿論罪もない 君を愛する人が憎いよ
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野良猫はうちの畑で嘔吐をし、鴉を殺し、隣家に帰る
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野良猫に名前を付けて叫ぶなら お家の中で飼えば良いのに
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10年も日夜を問わず呼ばれたら だいちゃんだって疲れるだろう
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大声のコンテストでもあるのかな 住宅街で猫の名を呼ぶ
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iPhoneのアラームよりも強力な深夜2時までのだいちゃんコール
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気がつけば市役所北の信号は何処にでもあるあんず色の陽
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ムレスナティー飲み放題を見つけたり 紅茶派としては魂ふるえる(行きたくて行きたくて)
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幸せな微睡の中現実に引き戻される 隣家のだいちゃん
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年金者集めて格安バスの旅宝石店への立ち寄りも付け
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アルコールランプたおれて青い炎広がるよけいなことをしたから
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