あの月が消えてしまうと思う前扉を叩く入口にいた
7
今日はまだ 何にも出来ていないから 虚無を睨んで 眠気と戦う
7
utakataうたかたの マイページ見て 思い出す 日記のように 情景じょうけい浮かぶ
11
リーマスにアジルサルタン・ビプレッソ・ニトラゼパムで床につく僕/おやすみなさい
4
コスメでも おしゃれな服でも家具でもない 心を満たす なにかが欲しい
13
一日に十しか詠めぬこの仕組み卑しノートに駄歌が埋まる
4
砕かれてすぐに止まらぬ涙とて育ちの合図 一番病の子
5
夕立ちに軒を探して愚痴る僕同じように猫も鳴いて居る
4
プレゼンのホワイトボード叩き割るそんな妄想屋上に居て
4
季語入れる工夫すらなき吾が駄歌は詠めど読めども時間の無駄よ
3
「わかるよ」と 笑顔で相槌打ちながら 「だから貴方は」心で呟く
8
何色も 染まらないぞと思いつつ 何度も自分に ラベルを貼ってる
6
反抗と親離れとは似て非なるお前とてめぇぐらいの格差
18
「最速で」そんな貴方に引かれる手 ぎゅっと離さぬ夢への旅路
8
不実だとなんて言われて涙したあの出来事はプラスになったの
2
天井なき監獄などとは生ぬるい 人体実験日々眺めおり
5
もう一人の僕よ上手く生きられてるかい? 遥かなる反地球に祈りを
6
タイミング逃した二人空き缶と明日の天気駅徒歩五秒
5
「孤独」とはこういう事ではないらしい 言い換えてみる 「異物」が近いか
5
「世界にはきっと君の居場所がある」by人気者 アトランティスかよ
3
誰も僕の事を知らない街へ行き愉快なホームレスとして死にたい
5
血の色の思いの中で染まるんだ抱き締めたいの本音はいつも
3
猫の毛を 櫛ですいては 毛玉にし 飽きた頃合い 猫はまだまだ
7
世界一 でかい観覧車は 君と 行った地元の 百円のあれ
4
パピコとか二人で分けてた十五歳 甘くて酸っぱいそんな思い出
9
かなしいよ ひとりで触れるやわらかな身体の真ん中長い夜中に
2
ただひろい畦道をゆく四足のちからづよさにおどろかされる
6
菩提寺の御堂の床に耳触れる なむしゃかむにぶつ染み込んでいる
4
冷蔵庫前でまってる 影うつる 影のねこ耳 また愛らしき
17
一見の客にも優しくしておくれ セルフレジよお前のことだよ
12