いにしえの歌を学びに読書カフェジュース片手に無い知恵搾る
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迷い込む蛾の一匹が舞い踊るその場の目と目注目の的
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こうだよと物知り顔で言ったあと間違い気づき蛍の光
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自作したコーヒーゼリーは苦すぎて独りで食うから余計苦くて
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暑い夏はこの先何度も来るけれど 熱く楽しい夏は想い出
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下り坂 フォーティーエイト48歳 ヤマダさん患者さん 血圧上昇 減塩指導
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新学期から逃げるようにマチュピチュの頂まで羽ばたいていく
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雨音に融けるBohrenのサクソフォン  安いスコッチ流し込む宵
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愛して も抱き締めてよ も助けて も言えないからあたし、こんななの
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裏切りの音はいつでもうつくしい せーので飛び越える境界線
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不思議だね いつもケンカを してたのに 思い出すのは 楽しい事だけ
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悲しいよ今日は何度も思い出す君が居た日を繰り返している
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クッションに難ある靴にインソール入れてなんとか戦力化せり
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こんなにも美しく過ぎる夏至の夕暮 切り取る術なく ただ眺めいる
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見渡せば何でも見える岐路にいる どこをたどれば幸せに着く?
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日本フィル窓口休みまた明日チケット予約の電話をするよ
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私なのそうなる様に仕組んだの束縛したら逃げる癖にね
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停めたはずのエアコンなおも呻いてる深夜のまちの承認欲求
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逞しい男に育てと願いしも 君折り紙に夢中の日曜
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柳の手 弟生えたの ぶらんぶらん 闇にしおれる サラリーマン
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ルンペンとして生きるのも良いだろう 君は世間が怖いだけだよ
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夕涼みお庭眺めて愛犬とそよそよ風にあたる幸せ
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怪物よ 君を生んだのは僕なのか? ああ、呪われしプロメテウスよ
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一日のご褒美夕日隠したね意地悪したの誰の雲かな
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こめかみに銃の形の手を当てる癖がまだある 3210
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いつもこの道を散歩してるおじさん 深きブルーの風まといつつ
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ベランダで さめざめと泣くバスタオル 私より夫を恨んでくれ
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同窓会の名簿に載らなかった異物 あの日閉じ込めた怪物はまだ
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暮れてゆく 光と闇の 境目が 生と死との 藍を深めむ
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紀伊國屋レジが混んでるどうしよう違うお店に場所を移すか
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