空を飛ぶ布の正体見極めたい、いったん止まれジャストもめんと
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ヘルパーさん来ているけれど まだ母は 料理はしたいお年頃なり
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ゆっくり寝た あえて二度寝をえらんだよ 気づけば隣の布団にチビ猫
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猩々と八岐の大蛇と酒呑童子「どうだ今夜は皆で酔うかい?」
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ながなが刹那せつなせつなさに心あはれに又無かるなり
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人間に怖がられないお化けたちハロウィンの夜はおうちでふて寝
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高枝の届かぬ柿は空飾り色を楽しむ鳥も楽しむ
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せいたかの泡立ち草は名の通り黄色い花は背より高くて
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不安症何で私を選んだの 受け入れなくちゃ分かってるけど
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美女達に追われる夢を見るときの私はいつも寂しい男
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炒めてるうちに気持ちは変わるでしょう きみがきみではなくなるでしょう
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奥比叡 頬冷やす風も 紅葉す あけ色の葉散り もみぢ、、、と後ろの声
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Tシャツの穴が日に日に増えていく ねこの伸びすぎおつめを切らんと
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人はみな他の生を受けて生きてゐる 野菜も生きもの牛豚鶏も
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秋空にしばしば聴くは画眉鳥のキヨコ二十一キヨコ二十一と  
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電柱の天辺に止まる鳶一羽 首を左右に何かを狙う
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カツ丼が食いたくなって自供したでも出なかった訴えてやる!
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きらきらと 朝陽差し込む キッチンで あなたのコーヒー 淹れるしあわせ
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右腕のしびれを探るレントゲン加齢に依るとドクトルのたまわ
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秋が来て薄すら色付く庭の柿 撫でたいけれど眺めて待とう
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お手軽にダウンロードをするように愛嬌だって身につけられたら
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二ヶ月に一度の通院つつがなく二ヶ月伸びる健康寿命
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災いは 仲間を連れてやってくる 実父入院 義父も入院
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冷静に指紋を消して血を拭いてあとは凶器とホトケの始末
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今日もまた元気に走る山手線 人を食らって人を排泄す
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理解して欲しい願いはビルのドア開けた途端に吹き飛ばされて
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在りもしない錠剤を求めて漁るこの醜さ できることなら早く死にたい
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名も知れず覚えて聞けばトゥットゥルトゥー しづこころなく風は吹きけり
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ひとりでも頑張っているぼくやきみを誰か見ているきっと見ている
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池に秋の雲映り波紋と共に広がる 波立つ水面に心揺れ動く
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