黄金色映える秋空に 散りゆく金木犀静かに香る
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感情があるのは仕方ないとして、それで動かれては困るのだ
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どう見てもあなたの方が強いのに「怖い」と言って殺すのですね
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一日いちにちも 一週間も 早すぎて 「つい、このあいだ」が二ヶ月前
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夕まぐれ焦がれる人が居ぬ事を帰る鳥から囃されている
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赤べこのようなあなたの相槌にたまに頭をポンポンしたい
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みかんもぐ捻りを効かす右の手が四人分伸び秋の風ふく
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見切り品 金木犀のシャンプーを 1つ手に取り 冬を遠ざけ
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誕生日 いざ当日を迎えるとbacknumberが沁みるね すごく
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部屋の隅 蹲っては 天を見る 変わらぬ白に 心揺れてる
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眠れずに 早朝出勤 とぼとぼと 明けの明星 呑むよなあくび
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本当に尊敬してます本当に 待ち受け画面にするくらいには
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凍結酒 ひとくちふたくち楽しんで 強制睡眠シャットダウンする夜としようか>睡眠不足気味
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しんとした 部屋でふたり 抱き合って テレビに映る 幸せのかたち
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秒針が静けさ深める秋の夜に 優しい色のモチーフを編む
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草むしり 手に止まる蝶 羽休め ここにいるよと 小さな命
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なにごともなきようねがい本官は凪いだ浜辺に敬礼を交わす
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パパがいい そう泣く君を 前にして 私はうまく 笑えているかな
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手間暇をかけて作ったおかずより 子が食いつくはアンパンマンカレー
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来世では嫁にいくかもしれないし死ぬまで続く花嫁修業
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きのうから一ミリずつずれていくような気がする皮膚となかみが
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曇る夕四時になったら点灯しカーテン早々引いてもう夜
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あの人の ふと気になりし消息が 訃報ファクスで今届くとは
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私が流れていく 一日分の私が洗面台で流れていく
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「最近」に じゅうねんまえが 含まれりゃ あなたもわたしの りっぱななかま
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書く意欲 急に湧いた今がチャンス 書くだけ書いた 直しは明日
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切っ先を 収める鞘を失って 鈍刀なまくら朽ちる 流浪の旅へ
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安売りで差別化できずスーパーの創業店が閉店となり
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カーペット冬用を出す作業でもみんなでやればイベントになる
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長き夢もらせんの果てに終わりたる階段ひとつ遅れあがれば
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