涼しいと感じる朝のキッチンで腕を見てみる蚊が付いている
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火事だぞとあわてて風呂場の水くめど 火柱に桶 無理だとさとる/物名歌
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秋ひとり山辺の底で飯を食う反芻するのは昨日見た夢
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コンクール親御さん達一斉にカメラを向ける焦点は子に
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悪玉はここにかしこに鎮座まし席の隣にお腹の中に
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10月に申し訳ない気持ちだけ カーディガン着て汗をかいてる
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ふるさとは浅茅ヶ原と荒れ果てて名のみなりける松虫の声
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夕闇が落ちた小川に鷺が飛ぶ跳ねた雫が波紋をつくる
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ブカブカのうす汚れた制服で 服装チェックをする風紀委員
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連呼する 名をひたすらに連呼する それで入れろは馬鹿にしている
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写真より色あざやかに呼び起こすただ一編の言葉の記憶
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純白に 衝撃はしる 秋色の 刈田翔びたつ 白鳥の群れ
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煌々と 月の明かりに 照らされて 平安人の 源氏を思う
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明けてきた朝日を浴びて、今日も楽しく元気よくかな
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姉追ってよちよち歩きのちょんまげさん「まって〜」と叫ぶ蝉しぐれふる \ 行った夏
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山の端に 薄紅色の 雲が行く ひと日の始め 秋の朝焼け
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年を経て叱ってくれる人も減り も一度母に叱って欲しき日
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刈り取りし 稲の株元 青々と 新芽が芽吹き 青田甦る
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信長にスマホ見せると激怒した何がイイねだ今でもあるわ
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まだ明けないなんとなくあたたかい朝、今日はくもり、さあ始発だ
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sns国際的短歌詠むと、韻が異なり互いに感動冷めやらず。
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地面を追うばかり そんなんだから木の枝にも負けるんだよ 大人
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わが短歌をAIに見せしに巧みなるショートショートを作りて応へぬ
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ブランコで怪我よりもブランコが怪我しないか気にする 大人になる
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頭の中で言葉という水を泳ぎつつ親指瞑想する
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ゆうやくんの影はいいなあ こぼしたカフェモカで笑われないもの
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両親の天使として生まれた僕 気づいた時には堕天使だった
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野球でも サッカーバスケ バレーなど やってなくても 見てると楽し
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ほんとうに弱いんです信じてください 話せないだけで泣くレベルなんです
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二の腕がひんやりしててモチモチなのに髪の毛はボサボサの夜半
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