文字列の総和はついに1メガを越えて手紙は読み返せない
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恋情の上り速度は光速を超えて下りは限りなくゼロ
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JPEGのとばりは降りずピクセルにらされていた中三の夜
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神無月の フィナーレを飾る 月の夜に 輪唱響く 白鳥の声
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サミットの休憩コーナー妻待ちのオヤジ連中同胞はらからとなる
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エーアイは がくしゅうちゅうも うんえいも 大電力喰う 問うはガザ生存
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ひょうろうぜめ さらにかわきは たえがたし ガザ長期化は 中世じごく絵
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きのうきょう きおくかさなり はがれない さっきのことは きのうのさっき? /服薬の記憶
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長引いた礼拝帰りの自転車を北山しぐれが追いかけてくる
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ひとりじめしたい気持ちもあるけれど君との距離はとても尊い
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金平糖空から降らし街中を ほのかに甘き季節に染めよ
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ハロウィンのお菓子欲しさに人間の子供に混じるお化けの子供
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ハロウィンのあまりに巧いコスプレに怯えて逃げるホントのお化け
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秋の盾 去年末脚 そして今日 見届けたるは 超絶的記録レコードタイム
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諦めることをしたとき死にそうで泳げるように鮪を名乗る
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昼と夜重なり合いし頃合に世界激震すべしレコード
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「いま」を追うことがしんどくなってきたそれなりに若かったねわたし
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日の入りが 毎日数分早くなる 明後日あたりは17時前かも
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眠そうな わが猫の姿眺めつつ ICEBOXに炭酸注ぐ
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雨の音だけが小さく響く朝靴音鳴らし瞼を閉じる
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知らぬふり?朝はそのままやってきた満月欠けて沈んだあとに
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家じゅうの溜まり水探し飲む猫よ ご飯の隣に良い水あるだろ
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喧嘩して気まずいままの空気感犬の話で上書きをする
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揺れる陽の 遮光の部屋に 寝転んで まぶたを閉じて ここは夜かも
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月かかるかさまばゆ群雲むらぐもの見るように撮れ無いもどかしさ
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分銅の足がコンクリートに埋まる不可抗力の空気の底で
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眼球に染み込んだ水で教科書のブロック体が3Dになる
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「なんだかさ寒くなってきたよねー」 半袖短パン息子の一声いっせい
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秋深く なればなるほど 君がほら 遠くなってく 他人の如く
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既に、やみ 誰かが紐を引くためにかろうじて生きる電球人間
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