休むこと許されてないこの世には死に去りてなお利用されゆく
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苦しみの「もういいかい」に誘われて私の負けだ「うん、もういいよ」
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暑苦しい人かき分けて隙間から 屋台の光と祭囃子よ
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海原は空をうらやみ映すとふ 船旅したや 青一色の
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カーテンをけずスマホの天気見て「雨なんだね」と寝転び笑う
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恋をしてどうにかなった。ひとことに囚われはずむ愚かなポンプ
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受診後の 食堂で食む 月見うどん 決まった味を 今年も啜れた
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悪魔にも鬼にもなれる暫くは引き攣る笑顔我慢出来ずに
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嫌いなのあなたの顔もその声も優しいだけが取り柄なのにね
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血管を辿っていったあみだくじの先でぼくをどうか見つけて
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スランプか?語れるほどの腕はなく 言葉あふれぬ時間ときが過ぎてく
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仕事部屋帰りはまだかと時計見て チャイムの音待つ在宅ワーク
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そよ風がごろ寝の身体撫でていくこのまま明日へ行けたら至福
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こらり悲愴とやいば滲ませて一人で祭り見に行く少女
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「テグスみたい」指に巻きし若白髪笑う友の隈の青さよ
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夏帰省母の待つ家近づきて凌霄花ノウゼンカズラ笑いて咲きぬ
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力士らを怪我から守る方策は 土俵の丈を低くせよと妻
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ひぐらしのシャワー降りぬる鬱蒼は三半規管をかき乱しゆく
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唯一人ただひとり大統領の杯を受く 実質横綱立て朝乃山
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絞首台も地獄も一緒だっから怖いものなくて楽しかったな
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エアマックスココから覗く指先に 銀をひと刷毛 あがりかまちで
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「死ななくて良かった」なんてそんなのは 耐えられた奴のただの戯れ言
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自室にて籠城戦を展開す 助けは来ないと知っているけど
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ひぐまをも倒すやしれぬ肩透かし 胸すく快児見よ翠富士
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もういいかい まーだだよってば もうちょっと オラ!!はよしろ まじダルやろ
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刈り取った枝豆よりもうまいのか?冷凍枝豆ちょっと切ない
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いにしえの名大関の名を借りて 若武者登れ笑まず驕らず
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怪我負いて奈落に堕ちたあの男 還ってきたぞ行け若隆景
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暑き場所 肉ぶち当たる汗が飛ぶ 力士の咆哮すく手弱女たをやめ
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痛み耐え地位守らんと粘る意地 註文相撲を恥ずるな老兵
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