日々痛むわたしの胸を取り出して全部忘れてしまいたいけど
6
鷹揚で笑みのかわいい貴女あなたが好きだ、好きだ、好きだ、助けて
4
手が触れる、それだけのことで今までにない形状にひしゃげる心
4
たったいまはじめて知った特別を忘れられる日がくるのであれば
4
(好きでいること、それだけは許してね。)わたしにピアスを開けてほしいの。
3
昼すぎの恋の話がいつまでも終わらなかった、ナンもでかいし
4
今はまだうたにできない 愛する人の背中を抱いた指のふるえを
7
いつもより ちょっと早めに 仕事え 閉店間近へいてんま ぢか スーパーダッシュ
10
正直に生きては駄目だ「付き合えない」「好きなんです」はどっちも言えない
11
この夏がずっと続けば良いのにと言ったあなたが居ない夏が来る
10
「あなただけ見つめる」という向日葵のハガキに書いて出せないでいる
16
明日の朝 後悔するのに何故かしら 夜更かしの終わりが見つからない
9
電子の砂漠にて あなたの顔も見えない 144p
3
逢ったのは天気雨の日  手をつなぎ 確かめたんだ三時間だけ
10
サイダーの立てる気泡の儚さと短い声の理想的生
3
ぼろぼろの指で針先動かしてフェルトでくるむ精神の綿
5
おいしさを意味あるものと感じずにピザの喜び捨てる部屋角
3
簡単に撤回される現実に何を信じて生きていくのか
4
心臓が地球の核と繋がって弾けて全て終わってほしい
3
僕の父 両手が鎌の 新人類 何故だか僕は 足がバネ
2
蝉の木が伐採されて音の無い夏を迎える 夜が明けない
12
宵のうち モスキート音を くぐり抜け ビール差し出し 「あとファミチキを。」
6
梅雨雲に置いていかれた残り雲寂しそうに日差しを遮り
6
光速は彼の真横を飛んでって一瞬のうち永遠になった
4
夜行バス 高速道路 踏む音が 体を揺らし 夢に引き込む
13
改札に 止められ見やる 我が右手 suicaあるとこ 社員証あり
9
つらいです もうやめたいです 高校生 クラスでハブられ もう何回目?
4
夢いまや時間だけでは手にできぬ立てた旅程に友の声濡れ
7
君はもう夏の暑さが分からないそれほどまでに冷たくなった
6
霧散する痺れる午後の坂道に彼らが見ている情景描写
5