梅雨が死にビールと線香の煙篭った熱は馴れ初めの風
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風鈴の音で救われる命今年も夏と会うことができた
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言葉にも心地よい住処があって露出を好む傾向にない
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ねんねまえオヤツはかならずほしいのね ねこたち並んで冷蔵庫の前
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おはようとあなたが言うの奇跡かと見間違う程素晴らしい音
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優劣をつけて楽しむあなたには所詮わからぬ儚い恋を
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喜びを受け入れるほど正しさを主張できない割れている皿
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神様に祈る両手に深々と突き刺さりゆく指先の骨
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忘れたいことこそじっと忘れゆくことの辛さが深く刻まれ
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運命の僅かな変化期待して歩く散歩のひどいかなしさ
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一日は何事もなく過ぎていくまるで私がいないみたいに
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◎ ●□ △ 耳クソみたい 無味乾燥
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拝啓 武田双雲へ おちんちん みてくだちぃな みてくだ 敬具
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新しい季節が来ても思い出す 私の夏はあの日あの夏
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暗き閨 乳吸う吾子の顔白し
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朝ごとに必ず外す蜘蛛の糸いく日続く小さき戦い
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悲しみに涙をためて空仰ぎいつも前向く月をうらやむ
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爪痕が消えても残るかおりだけ抱いてそのまま呼吸をとめる
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大人だし 良いか悪いか分かってる 分かった上で続ける すまん
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a lot of ヘヴンの街でわたしたち棘があってもきっと花咲くわ
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去年こぞの冬夏を熱望夏になり冬を切望勝手わがまま
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夏になり思いこがれたイベントも暑さに負けてホームパーティ
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この家の家具と家電は一緒に選んだ 使うのはわたしだけ
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日暮れどき 雲は青系グラデーション 漂うように熱帯夜の月
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金目鯛 煮付けていたら 3匹の 目がギラギラ 鼻音フガフンガ
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オチのある話をなぞる君がいて関東梅雨明け令和六年れいろくの夏
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旅行中 ノートを片手に短歌を書きながらみてまわる夢をみた
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突入率73を 回単発 隣台 インパクト鳴り 1%を引く
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梅雨明けて正午の空に百日紅マゼンタピンクの夏がはじまる
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悲観することなど何もないんだよ 自分が自分と生きているから
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