自転車を漕ぐ間に昇る朝の陽の熱に溶けゆく真白き吐息
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なっぱ電車に母は乗ってた昭和には指切りをしたような気がする
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智恵子さん奥の細道読みながらほんとの曽良が見たいと泣いた
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たぶん夢とか希望とか詰めたはず 缶切りはきのう捨てたんだけど
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新雪に足跡二つ三つと付き 寒波の朝はそろりと始まる
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象徴となる君ささへひのもとのゆふすげとなる人うつくしき
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知人から鯉の甘露煮いただけど リアルな鱗に食指ためらう
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南総の犬伝説の山登り 湾越しに見ゆ出来過ぎの富士
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むめ一輪 確かに咲いたよ菅原さん 太宰府異動で拗ねちゃだめだよ
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ちょい多い十二時間の降り様よまあしかたない朝の飯前
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吹雪なれどKUSCカスクながるる書斎にはカリフォルニアもよみがへりけり
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恵方巻 今年の方位は西南西 邪気を払いて 幸多かれと 
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朝まだきUtakata開けて会う歌よ抗癌渋るこころまーるく
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人参と枝を残して雪だるま 「さよなら」も言わず空へと還る
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自己驕り 人の痛みを知らぬ者ほど人に傷を作るのが好き
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眠れぬ夜の寒い部屋 布団が私を裏切った
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上品にグラスの縁へ添えられたライムを素手で絞っていいの
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鍋の中つみれがぷかり浮かび出てやめろ肉だけ取ろうとするな
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新しい ことを始める 姿見て 自分も何か 始めたくなり
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 寒い朝アラーム鳴るがスムーズに何回目かでようやく起きる
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五年もの月日があれから経ちました 先生、私まだ下の句下手かな
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ビデオ通話 数千㌔離れても 君の笑顔がここでも見れる
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ここはかつて熱帯雨林だったと 砂の風さえ頷くような
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す方へ進めば柔らかく温かく抱きしめられて狂える
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雪が太陽を反射して目を焼くのに黒の様に暖かくは無いね
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久しぶりの菓子箱はまるで玉手箱 広がる空間 無常を思う
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致死量の毒で溺れたい 願望ではなく進行形である
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刑事部長 案外かわいいとこあるな(笑)「俺の打った蕎麦をお前が茹でるのはどうだ」>相棒。参事官と一緒に老後を過ごしたいのね‥(笑)
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目の前にいるのは「誰かの子」であり「誰かの親」なの忘れないで
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国芳は武者絵・美人画・猫騒ぎ いにしえの江戸さぞをかしけり
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