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結婚し十年経てばパパママに三十代よ失いたくない
10
いつまでも燃え上がる愛でいられない苛々してるみたされぬ愛
12
片想いやっとLINEにつながるもあなたとの距離まだまだ遠い
9
「さよなら」の言葉残さずアパートの合鍵握る貴方はいない
9
桜舞ひふわり抱きし初孫の十八年はひとひらの夢
19
野に
荒
(
すさ
)
ぶ嵐は吹けど新緑の風にながれる音は柔らか
10
雨間
(
あまあゐ
)
の風にさらはれ 改札を薄紅に
染
(
そ
)
む 散りし
桜花
(
おうか
)
や
37
小
(
ち
)
さきもの 弱いものたち 先頭に 築かれていく 令和の時代
13
小説みたいな恋をしたのに漫画みたいな転け方をした
6
雨の日だ。小さなアパートの廊下には、それぞれの部屋へ続く足跡。
4
梅散るも 人と人とに 花が咲く
弥生吉日
(
やよいきちじつ
)
天神の市
18
春盛り髪邪魔になり留めてみて結んでもみて切る洗面台
23
藪椿水仙榊水芭蕉群るるが常の地を這へ一匹
13
弥生末 ねこたちまだまだ 冬ベッド ふたりなかよく 暖を取りたる
24
今生に関わる人は三人か亡き両親と今ある妻と
14
目に花と人の集いを転写した絵手紙へ書く笑う春風
22
歌声は未来へつづくリフレイン。
出発
(
たびだ
)
つ人へ『春のコンサート』
15
青葉の候 肥えた山々 迫り来る 春の妖精 呑み込まんとして
6
花離れ狂いし君に安堵して もう座標は重ならないのね
6
やがて来る 覚めぬ眠りを 思いおり 眠れぬ夜の 毛布を被り
12
お礼にとリュックにハーブ詰め込んでお茶を淹れよう月の満ち欠け
4
笑いあい情けがかよう芝居小屋また来るひとも去りゆくひとも
13
ふるさとをつくるよそ者北陸のひとにつっこむ舞台の袖で
8
あご髭に白さもまざる海老蔵似友はとほくにありて輝く
11
ひからびた木箱に入った
臍帯
(
さいたい
)
は母のつもりで私を呼んでる
16
けふもまた殊更などに非ずして過ぎゆくものをただ見送るや
14
トゲのない言葉を探す会話するへとへとになる今日も一日
26
春雨や いつもの電車 窓越しの 景色は緑濃く沁みわたる
11
隅田川 春の長雨 さよならと 流れる花びら 過ぎる思いで
8
野辺の花 黄色一色 ほころびて 揺らぐ春陽 陽炎立つ
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