蒸し蒸しと のぼせた夜に やわらかな 薄月盃影うすづきはいえい 夜もほどけて
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しその葉を一枚残さず食べたのは どこのバッタかキリギリス お盆でなけりゃ許しておかぬ
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今日もまた 2km離れた 実家まで 機内モードを 解除するため
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本棚に眠る積読品定め長い旅行の連れ合いひとり
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夏祭り 夏休みの孫集まれば 疲れるほどに 癒されてゆき
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情熱の緋色が 僕を動かして もう止まらない 誰も止められぬ
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墓などは建てずにおくと夫と決めとはいえ度々親の墓には
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宙にピタ 静電気ほどの振動で 蜻蛉の翅の薄玻璃の影
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堂々と推しメンですって言えるかな火照る心隠して晴れやかに
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図書館で短歌の本を探したらコーナー小さくて気が遠くなり
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わっ君が!予期せぬ遭遇顔伏せて今日の幸せゲージいっぱい
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三日月の形で眠る猫の腹わたしが入るスペースは無し
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この象はきみのやさしさの形だと微笑むきみが持つ哲学書
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可愛いよ君の恋する横顔 綺麗だよ僕を愛する君も
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三日月のかたちで昼寝する我に猫が寄り添い満月になる
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寄せて上げるというよりただ支えるそういうのが好き人もブラも
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澄みやかなこころの種を植ゑてゆく世界が花で満ちゆくやうに
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右の手の手相だけが触れるほんとうのわたしのかお ほんとうのかお ほしい
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木槿咲く庭に出ずれば陽に光りトンボ舞い来て庭石に降り
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一年に一度だけじゃなくてもいいよ 毎日会いに来たっていいよ
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空にいるあの子は食いしん坊だから キュウリの馬は齧っちゃうかも
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振り向けば すやすや眠る わがたち つられてねむく まくら抱え込む
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春枯れて 二度目の冬と ぼく独り 雪どけ水の 沁みるつめたさ
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「アベック」と 「マンチキチン」を 使いたい あともう一つ 「涙ちょちょぎれる」
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遠い山沸き立つ雲に一面の緑をなす田嗚呼夏景色/日傘の貴婦人は居ないけど
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盆帰りこだま飛び乗り日常へふと顔上げればあら外は海
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きっと訳も分からす秋が来る台上前転の着地する我
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シャンプーに慣れて余裕の保護犬よシャボン玉ひとつ鼻先を飛ぶ
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夏休み あれだけ待ちに待ったのに 後半になれば 友が恋しい
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ベルが鳴り 瞼の重い 5時間目 ふいと差し込む 心地よい風
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