あの夜の 花火が恋に 飛び火して 君色に燃える 夏の思い出
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楽しそう目を引く今日の草野球男女大人も子も混じりおり/町内大会か
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あんまんもアイスもおいしく感じない涼しくもなく暑くもない日は
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賑やかに 声の響ける 通学路 楽しみ増やす 教師の努力
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どよんとす 見上げる先も 曇り空 どよりどよりを 楽しみますか
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山里の夜半の寝覚めのわびしきはまがきに近き小牡鹿の声
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朝シャワー浴びたら頭もさっぱりと 流れてゆくよ抜け毛いくつか
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御座候の工場見学の後で食う ショップのラーメン意外に美味し
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まあいいさ。なんとかなるよなんてこと 言ってるうちにくたる事態は
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この車線 急に左折専用って、おい トラップ多し姫路の道は(城下町にありがち)
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妄想のてんこ盛りなる穴子めし さほどまでなし姫路の名物
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はからずも介護認定立ちあいぬ義姉あねは急にしっかり者に
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流れ来る ベルトコンベア 人間は 経験を積み 選別される
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前世で 死んだおかげで 生まれ来て この世で死んで 来世で生まれ
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死ぬという 幕が下ろされ 隔てられ 幕の向こうは 霊界という
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死んでゆく 世代を眺め 若者は 静かに送る 惜別の愛
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白鷺の城の近くのホルモン屋マルフク 煙いが旨い行列長し
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愛という 愛を集めて 願っても 悪いことには 容赦はしない
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悲しみが なくなるように 祈るけど 真理はいまだ 妥協許さず
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年老いて 未だ幼い 状態で 心は未だ 見た目と違う
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年取った 同じ世代の 姿見て 自分も同じ ショック隠せず
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温暖化 頼むよ地球 頑張って スイカが未だ 畑で育つ
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秋らしい 温暖化など 知らぬよう 遅れたスイカ 枯れないように
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さよ更けて月澄み昇る高嶺たかねより嵐吹き下ろす小牡鹿さをしかの声
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アサギマダラはね浅田真央ちゃんと覚えるの友に教えた秋の日の午後
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肩の小屋手前で雪が降り始め引き返すことを決めた十月五日
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かの国は憧れし映画の撮影所ブロッケン現象の谷川を目指す
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どうしたの。僕はいったいどうなるの 歌がぽろぽろ涙のように
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趣味短歌始め四つ目の季節巡り来し 何より嬉しは続けをること
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紫陽花のしおれし花に舞いおりる桜葉の「ラストダンスはわたしに」
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